◆02.平穏な日常の終焉/梁瀬雅 ページ5
変化というものは何時も唐突に訪れる。
そして“それ”が起こったのも突然だった。
午後6時34分29秒。防衛局内にけたたましく鳴り響く警報。レイドロイドの侵攻を知らせるものだ。久しく聞いていなかったその音は人々の不安感を煽る。それは、怠惰な日常の終わりを告げる音。
吸いかけの煙草を揉み消して小さく舌打ちをする。
ここ1ヶ月の平穏に淡い期待を抱かなかったといえば嘘になる。
誰もがレイドロイドがもう侵攻してこないことを期待し、そしてこの瞬間にそれは打ち砕かれたのだ。
喫煙所を出ると局内は慌ただしく人が行き交っていた。
遠くで誰かの怒号も聞こえる。
1ヶ月ぶりの緊迫した空気。
そこに僅かに含まれる絶望と諦めの匂い。
もう、平穏など訪れないのではないか。
そんな思いが透けて見えるようだった。
アタシはひとつため息を零してから自分が所属する第二班の班長、御薬袋星夜の元へ向かった。どうやら班員の中で一番最後はアタシだったらしい。
遅れて登場したアタシに視線が突き刺さる。
「遅いぞ雅!」
喧騒の中でも彼の声はよく響く。
「すみません」
口先ばかりの謝罪をするアタシに班長はため息を吐いた。
「まあいい。早速だが本題に入る。知っての通りレイドロイドが現れた。現在確認されているだけでも10ヶ所、同時多発的に襲撃されている。それぞれ各所に散って対応に当たってくれ。以上、解散!」
班長の号令とともに班員たちは散り散りになり、アタシもそれに続く。
胸の奥に燻る言いようのない不安感に気づかない振りをして____。
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七夜(プロフ) - 更新完了しました (2018年5月5日 16時) (レス) id: 468c1cc159 (このIDを非表示/違反報告)
七夜(プロフ) - 更新しますね (2018年5月5日 16時) (レス) id: 468c1cc159 (このIDを非表示/違反報告)
十二月三十一日(プロフ) - すみません、書き込むの忘れてました。編集終了しました。 (2018年5月4日 16時) (レス) id: 70aae954fa (このIDを非表示/違反報告)
十二月三十一日(プロフ) - 編集します。 (2018年5月4日 2時) (レス) id: 70aae954fa (このIDを非表示/違反報告)
十二月三十一日(プロフ) - 更新終わりました。 (2018年4月21日 19時) (レス) id: 70aae954fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:十二月三十一日 x他9人 | 作者ホームページ:
作成日時:2018年4月5日 22時