ただ、傍にいるだけ。【忍足侑士】

By your side_45 ページ47

あれからはまあ、平和だ

どうやら、あの女子生徒達は元々あまり評判が良い方ではなかったのか

この出来事が露呈してから孤立していった…個人的にはザマァ見ろってところだ

そして、今…私が何をしているかと言うと図書室で侑士の迎えを待つという詰まらない時間を過ごしている



『尾前、聞いたぞ

バッチリ、仕返ししたみたいじゃないか』

「そんな噂になってます？」

『幼稚舎上がりからの奴等だったからな

しかも、陰湿ときたもんだ！上級生の俺達も小耳には挟んでた奴等だったみたいだからな』

「あぁ、じゃあ…容赦しなくて正解だったわけですね」



納得したように頷くと先輩は笑いながら私の頭を撫でてきた

相変わらず、この先輩は私のことを子ども扱いしすぎだと思う



『いやはや、女王様は言う事が違うな！よく頑張ったな、よしよし！』

「何です、その女王様って」

『跡部と共謀して返り討ちにしたからお前、氷帝の女王様ってもっぱらの話題だぞ

あと、その風格がいいって最近、ファンクラブが…』



途中から言葉が耳に入ってこなかった

前言撤回、全然平和じゃない

最近やけに他方からの視線が酷いと思ったらそっち方面だったらしい



『ちなみに会長は俺だ！』

「ハッ倒すで、自分…」

『でも、お前が群がられるのは嫌いだと思ってその辺のお約束は俺が厳守させてる！

要望があったらいつでも言えるから勘弁してくれ！』

「……しゃーないな、大目に見たる」

『やっぱり、お前のそういう微妙に優しい所、俺好きだぜ』

「はいはい、それはよかったなぁ…」



もう、何も言うまい

でもまあ…実害があるよりずっといいから

思ったより平和な学校生活ができていると思うことにしようと開き直ることにした

Quiet talk_1→←By your side_44

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す