ただ、傍にいるだけ。【忍足侑士】

By your side_40 ページ42

朝はいつもより早く起きて、何かと忙しかったが仕込みは終わった

こんなことのために昼食の時間が丸潰れになるのは不本意だが仕方ない

人気の少ない校舎裏で暫く待っているとようやく待ち人達はやってきて私を睨みつけてきた



『呼びつけて何の用よ、“オマエ”さん』

『言いたいことがあるならコソコソしないで直接言いなさいよ』

『本当よ、こんなものまで寄越して！最低ね』



私に嫌がらせをしていた女子生徒が三人

まるで、自分が主導権を握っていると言わんばかりに強気な言葉で私に文句をつけてくる

文句を言うぐらいならこんな紙切れのために来なければいいのに…

“虚勢を張ってる間抜けな友人”のせいでこんなところにノコノコ来て…可哀想に



「威勢がいいようで

まあ、手元のこんなもので脅してやろうなんて詰まらなさ過ぎてやるつもりなかったけど」

『ッツ…！だったら、こんなこと意味ないじゃない

やらないんでしょう？忍足君に捨てられたらだーれにも頼れないんだから

下手に出られないものね！脅せないからお願いにでも来たわけ？』



私の逆鱗に触れた原因とは違う女子生徒の一人が苦し紛れに言い返してきた

あぁ…怖がって持ってないとでも思った？

使えるものは使うでしょう？馬鹿なんじゃない



「私がアンタ等にお願い？馬鹿言わんといてえや、寒すぎて笑えもせえへんわ！

私、怒っとるからこの際…みーんな仲違えしたらええと思てな？

なぁ…そこの嬢ちゃん？何怯えてるん？」

『怯えて何かないわよ！大体、証拠も何もないくせにあんなこと！

そんな偽証、こっちから文句言えるんだからね！私はそんなことしてない！

あの手紙は何一つ合って無いアンタのこじ付けよ！』



あぁ…笑いが込み上げてきそうだ

送り付けた手紙は全部コピーしてる

今の言葉だって、全部録音している…どいつもこいつも墓穴を掘っていて愉快でしかない

他の準備だって出来てるのに全く今でも自分達が優位に立ち回れていると思っているのが

一番滑稽で楽しくって仕方ない、許せないことだらけだけど…ね？

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