其れは君だった0.5 出会い ページ45
暑い……
其れはいるだけで朝の流れ落ちる暑い夏の日であった。
6月、梅雨時。
雨が降っているのに湿度とやらで涼しくは無い。
少しくらい涼しくても良くなくって?
此れは、私が15歳の時のお話だ。
私の異能の暴走で両親は私の異能によって殺され、300人程の一般人を巻き込んだあの事件から、6年経った。あの事件は異能の暴走とみなされ、私は罰を受けなかった。
其れが如何も気に病んでいた。300人もの人を殺めたのだ。私に人権も無いも同然だ。其れに死にたかった。生きる理由も無いし、特にしなくちゃいけない事等無かったからだ。普通の人は生きたいとか思うんだろうけど、私は違った。先ず、普通じゃ無いから。
まぁ、そんな私には行く当ても無くて?
死なないかな、とか思いながらふらふらと歩いていた。気づいたら3つ位県を越してヨコハマに居たくらいぼーっと。そういえば仲のいいルド君(ルードゥ)もヨコハマに居るとか云ってたような、正確に言えばルド君は空間、空気を操れるから私の耳辺りの空気を揺らして音を出して伝えてくれたんだけどね。本当、ルド君は凄いや、異能を使いこなしてる。私なんか両親迄も殺してしまうのにね。
歩いているうち高いビルが見えた。
高いなぁ
なんて思いながら歩いていた。
本屋に寄った。本が好きだったから。お金もないし、買うものもないし。只見るだけの変なお客。自分の事だけど。
まぁ、強いて言えば暇潰しに。だったら図書館行けって?厭だね。
静かなとこは嫌いだし。
活気があった方がいいし……?
それから、日が暮れるまで経って、私は本屋を後にした。
また、ぼーっと歩き出した。行くあてもないのにね。
夜は嫌い。
店は閉まるし、暗いし、裏路地に居ればスーツの人に銃で撃たれるし。
実際、中ってないけど。銃弾が体に近づく瞬間に其処が勝手に水になって向こう側の壁に当たるだけ。
中ればいいのに。死ねるし。
生憎私、記憶力だけは良い。思い出そうとすれば、あの血塗れなシーンも鮮明に浮き出てくる。厭に。
そんな事考えてまた、裏路地で座り込んだら、すっかり、疲れていたのか、寝てしまった。
□■□
起きたら、裏路地ではなく、天井があった。
6年ぶりだ。
- - - - -キリトリ- - - - -
「ただいま!」
「お帰りなさい」
「ねぇ今日のご飯なぁに?」
「今日はオムライスよ」
「やったぁ!」
- - - - -キリトリ- - - - -
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梅雨椪 - 青空と雨さん» 実際、私も小説描くの未だ未だ初心者ですから、書いてるうちに慣れてくると思いますよ!(私もそうでした)私は自分のオリキャラに文豪達を只巻き込んでいるだけなので、主人公のキャラ設定さえしっかりしていれば書けると思います!素敵なコメント有難う御座います! (2019年8月7日 2時) (レス) id: dd9330d6af (このIDを非表示/違反報告)
青空と雨 - 梅雨椪さん» めっちゃ面白かったです!どうやったらそんなに上手く小説が書けるんですか…?私の書いてる小説、全然ダメで…凄く羨ましいです! (2019年8月2日 22時) (レス) id: 523f0370de (このIDを非表示/違反報告)
梅雨椪 - これからも頑張ります!どうぞ宜しくお願い致します! (2019年7月25日 2時) (レス) id: dd9330d6af (このIDを非表示/違反報告)
梅雨椪 - 有難う御座います!頑張ります! (2019年6月8日 0時) (レス) id: 7128cd4b8b (このIDを非表示/違反報告)
ピンポン - 敦くんが「生き別れの妹です!!」って言った時は笑いましたww更新楽しみにしてます (2019年6月8日 0時) (レス) id: fabb623d55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梅雨椪 | 作成日時:2019年6月6日 22時