君とセカイでもう一度。【天馬司】 (ページ45)

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おかえりの会ページ45

その日から、Aのお見舞いには司以外も頻繁に訪れるようになった。

Aと司にとって、二人きりになれる時間も大切なひとときではあったが、大人数で談笑している時間もまたかけがえのないものだった。

「――なまえちゃんおかえりの会をやろうよ！」

「おかえりの会？」

「うん、退院後にパーティーとかできたら絶対楽しいから！とーやくんやしずく先輩も呼べたらいいな〜」

Aが入院してから一週間と数日――退院の日が近づいて来た頃。お見舞いに来ていた咲希のそんな提案に、Aは思わず目を丸くした。

「でも、みんな忙しいんじゃ……それに、わたしのためだけになんて申し訳ないよ」

戸惑い顔で遠慮するA。彼女らしい反応だと思いながら、志歩が口を開く。

「咲希は遊べる口実が欲しいんだと思いますよ。それにAさんが主役なんだから、申し訳ないとか考える必要ないので」

「……それじゃあ、お言葉に甘えちゃおうかな」

Aが了承すると、咲希は「やったぁ〜！」と声を上げて喜びを露わにした。

「よかったね、咲希ちゃん！わたし、アップルパイ焼いていこうかな？」

「ほなちゃんのアップルパイ……！なまえちゃんにも食べてもらえるなんてカンゲキしちゃうなあ」

「ふふ、楽しみにしてるね」

微笑むAを見て、咲希は満足そうにうなずいた。