第106話 おもてなし精神 ページ9
でもまあ花が咲いた経路は深くもないし、断る理由も特にないのでぱぱっと説明して帰ろう…とも思ったが。
これは明らかに暫く観察されるやつだ。
「…あ！あの、そもそもAさんって図書館に何か用があったんですよね？」
『はい』
「その用事、私が手伝いますので…！」
『ッエ、いいですよそんな！大丈夫です！』
「それって許可の意味ですか！？そうですよね！？ありがとうございます！」
私がこのエーミールさんに口論で勝てるわけがありませんでした…重々分かっていたことではあるが。
日本語(我々国語？)の言葉の綾も使われ上手く言いくるめられ、あれよあれよと案内された奥の談話室。
机の上では紅茶が湯気を立てていた。
…あれ、いつの間にこんなことに？
「ささ！座ってください！あ、果実系より紅茶の方がお好きでしたよね！？」
『へ、はい…そんなこと覚えていただいていたんですね』
「異世界の御方ですから…礼儀とか、色々違うと思ったので。せめてもの"おもてなし"精神です！」
いい人過ぎて色んな方向から私の涙腺を刺激してくるお偉いさんにおもてなしさせるとか身の程知らずにも程がある。
だからといって私が何かしてあげられることもなく、ただただされるがままになるしかないのが非常に不甲斐なかった。
向かいの椅子に腰掛けたエーミールさんが慣れた動きで紅茶を一口
なんだかんだ、この人が一番ファンタジーっぽい見た目である。
「…そっ、そんなに見つめられると恥ずかしいのですが…」
『ぁ、ごめんなさい！思わず見惚れてましたすみません…』
流石に視線を感じたのか、耳を赤くしたエーミールさんが顔を背けた。
そんな光景を見ていると、何故かつられて私も顔が熱くなっていく。
「…みほ、れ？」
『え、すみませんもう一度いいですか』
ごもごもと何かを呟くように落とされた言葉を聞き取れなくて聞き返した。
「いッ…いや、なんでもないです！！それより、用事があったんですよね！？」
先程の流麗な動きはどこに、とても談話室で話を行う声の大きさではない叫びに紅茶をひっくり返しそうになる。
『は…はい。そうです…けど』
心臓弱いんだからヤメテヨ！！
びっくりしすぎてぽっくり逝っちゃうでしょ！？
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弦(プロフ) - どこかのじぇーけーさん» 嬉しい言葉ばかりで、夢主ではないですが泣いてしまいそうです。その言葉を心に噛み締めて突き進んでいこうと思います！処女作がこんなに続くと思ってませんでしたし…見てくれる方のおかげです！ありがとうございます！ (8月30日 2時) (
レス) id: c2360e86b7 (このIDを非表示/違反報告)
どこかのじぇーけー - やはり作者様の小説は最高ですね！更新は作者様の自由なので読者側がとやかく言える物ではないので！コメントに更新が途絶えた事を責める意図は全くありません！作者様のペースで更新して頂けると嬉しいです！どれだけ期間が空いても私はファンなので！ずっと好きです！ (8月29日 20時) (レス) @page38 id: 4a064ca36e (このIDを非表示/違反報告)
弦(プロフ) - どこかのじぇーけーさん» またもコメント、ありがとうございます！楽しんでいただけて心から嬉しいです！更新が途絶えていてすみません…少し色々ありまして。完結はちゃんとさせるつもりなので、気長に待っていただけると…！ (8月29日 10時) (レス) id: c2360e86b7 (このIDを非表示/違反報告)
どこかのじぇーけー - ずっと気になるところで更新が途絶えてたので、ドキドキしてたんですけど、今日も読もうって思って見に来たら更新されてる！？貴方が神でしたか…本当にありがとうございます…楽しませてもらってます！大好きです (8月28日 17時) (レス) @page30 id: 4a064ca36e (このIDを非表示/違反報告)
弦(プロフ) - コメントありがとうございます！貴重なお時間使ってまでも一気読みなんてとても嬉しい限りです…！好きと言っていただけるだけで励みになります！更新頑張ります！ (2023年1月30日 16時) (レス) id: c2360e86b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：弦 | 作成日時：2022年12月6日 6時
