第105話 先っぽだけの知識欲 ページ8
『はぁ、はぁ…』
環条A、長時間の要塞との長きに渡る脳内戦(迷子)に勝利し、図書館に辿り着くことが出来ました。
めでたしめでたし
「アレ？Aさんやないですか！珍しいですね！」
『うおぅっ！？』
「ほぇっ！？」
図書館の大扉の前でお年寄りのように震えていれば背後から大声が掛かる。
何故ここの要塞の人間は揃いも揃ってセルフスピーカーなのか未だ不明だが。
この人とロボロさんとコネシマさんが要注意である。
何で私より声を掛けた側が驚いてるか謎だし…
「す、すみません…驚かせてしまいましたね」
『あ…いや、こちらこそ気付かなくてすみません！』
振り返ってペコペコと頭を下げる。
『ッあ、ぶな』
勢いに乗り過ぎてニット帽がずり落ちそうになって慌てて抑えた。
正味、目の前のこの人＿＿エーミールさんに花が見られるよりもシャオロンさんに借りたニット帽が床に落ちるほうが怖い。
「ん？それって…」
『えと、シャオロンさんのです』
見慣れた仲間の常備品を異世界の小娘がちゃっかり着けていることに気付いたらしく、エーミールさんの目線は私の頭へと向いていた。
「…え？」
ぱちりと瞬きし、理解しきれていない顔がそこにはあった。
安心してくださいエーミールさん。
私も未だ理解できていません。
『いや、実はこうなっておりまして…』
口で説明するより見せたほうが早い。
実際、頭に花が咲きまして…なんて言ったって誰が信じるというのか。
「ッへぇ！？！？」
アッ、耳とお別れしちゃう
爆弾のような驚き声に慌てて帽子を再び被る。
最初は物静かな教授的なイメージがあったエーミールさんだが、ぷるぷると震え、まるで珍獣(それより酷い)でも見たみたいに目を白黒させていた。
その様子に図書館に出入りする人達が更に驚くという二重トラップのハッピーセットが起こっている。
まあエーミールさんの瞳はあいも変わらず黒なんて混じることない綺麗な銀色の瞳ですけどね！！ガハハ！
…はぁ
『あの…私帰りますね…』
「なんで！？」
こりゃあ穏やかに本なんて読めねぇなと出直すことを密かに決めた私は学習して柔らかい会釈をした。
だがしかし！図書館の司書も務めているエーミールさんならば、知識欲というものが人より何倍も多いのか。
キラキラした少年のような瞳が…離して、くれません…
「ちょっと！ちょっとだけで いいんで…！」
そんな先っぽだけみたいな言い方…
「先っぽだけでも！！」
言っちゃったよオイ。
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弦(プロフ) - どこかのじぇーけーさん» 嬉しい言葉ばかりで、夢主ではないですが泣いてしまいそうです。その言葉を心に噛み締めて突き進んでいこうと思います！処女作がこんなに続くと思ってませんでしたし…見てくれる方のおかげです！ありがとうございます！ (8月30日 2時) (
レス) id: c2360e86b7 (このIDを非表示/違反報告)
どこかのじぇーけー - やはり作者様の小説は最高ですね！更新は作者様の自由なので読者側がとやかく言える物ではないので！コメントに更新が途絶えた事を責める意図は全くありません！作者様のペースで更新して頂けると嬉しいです！どれだけ期間が空いても私はファンなので！ずっと好きです！ (8月29日 20時) (レス) @page38 id: 4a064ca36e (このIDを非表示/違反報告)
弦(プロフ) - どこかのじぇーけーさん» またもコメント、ありがとうございます！楽しんでいただけて心から嬉しいです！更新が途絶えていてすみません…少し色々ありまして。完結はちゃんとさせるつもりなので、気長に待っていただけると…！ (8月29日 10時) (レス) id: c2360e86b7 (このIDを非表示/違反報告)
どこかのじぇーけー - ずっと気になるところで更新が途絶えてたので、ドキドキしてたんですけど、今日も読もうって思って見に来たら更新されてる！？貴方が神でしたか…本当にありがとうございます…楽しませてもらってます！大好きです (8月28日 17時) (レス) @page30 id: 4a064ca36e (このIDを非表示/違反報告)
弦(プロフ) - コメントありがとうございます！貴重なお時間使ってまでも一気読みなんてとても嬉しい限りです…！好きと言っていただけるだけで励みになります！更新頑張ります！ (2023年1月30日 16時) (レス) id: c2360e86b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：弦 | 作成日時：2022年12月6日 6時
