覚悟を示せ ページ30
西「頼むぜ岸廻！」
「うえぇ……」
突然の西谷からの頼みに、正直戸惑う私。
だってリベロでしょ？攻撃には参加できないし……
一応、頼まれたからには真面目に答えようと、記憶を辿る。
リベロ……
新しい……厄介……
ふと頭に浮かんだのは、この前見たインハイ予選。
「じゃあ、西谷が他校のリベロでビックリした選手とかでさ、
いい技あったら盗んじゃえば？」
私がそう言うと、西谷は硬直し、そして徐々にプルプル震えて興奮し始めた。
西「……おおお！なるほどな！
あっ！思い付いたぜ岸廻、ありがとな！」
「えっ、あ、おう」
ほぼ自己完結だったが、西谷が満足したのならそれでいっか……
早速練習したいのか、西谷はあっという間にどこかに行ってしまった。
田中も、待てよノヤっさーん！と後を追って走り去っていく。
休憩中だったはずなのにまぁ元気だこと。
「なあ縁下、これ私じゃなくても良かったんじゃ？」
縁「ま、まぁ……」
感情のこもっていない笑顔で聞くと、縁下は困ったように返事した。
縁「西谷はもしかしたら、バレーをやる俺たちじゃなくて、客観的に見てるからって理由で岸廻に聞いたのかもな」
「それなら確かに、烏養コーチに聞くまでじゃないけど他のマネには聞きにくいだろうから納得……」
縁「それに、烏養コーチも言ってたし」
「え、何を？」
縁「分からないことやアドバイスが欲しかったら、岸廻に積極的に聞いてみろって」
うわ、私がいないときを狙って……！
「い、いつの間に……」
縁「岸廻、前から観察眼優れてたし、アドバイスや説明も分かりやすかったから、それ聞いてやっぱりなって思ったわー」
「そう？ほぼ思ったこと口に出してるだけなんだけど……」
そうだとしても十分ありがたいわ、と言って、ドリンクを私に返す縁下。
そのまま他の部員の元へ行ってしまった。
「積極的に聞いてみろ、ねぇ……」
烏養コーチに、私がバレー経験者だとバレて、
誰にも言わないことの代わりに課せられた条件。
運動能力、センスが天才的に優れてる設定にしとくから、
“烏野の 指導者 になってくれ“
「これは、マジで働けってことかな……」
内心、めちゃくちゃ怖い。
バレーに関わること自体がトラウマだ。
でも、やっぱり、好きなことを諦めるなんてできっこない。
「頑張るよ、私頑張るから」
烏野の、みんなの為に。
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奏音 - え……！めっちゃ主様の絵柄好きです！！私で良ければですが、夢主ちゃんの絵描いて見てもいいですか？ (2020年5月16日 21時) (
レス) id: ea3d173ac1 (このIDを非表示/違反報告)
むうまう - 面白かったです！！主人公ちゃんの性格めっちゃすこ更新頑張ってください(*´∇｀*) (2020年2月16日 21時) (レス) id: f5daa61569 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：てぃな | 作成日時：2019年5月24日 16時
