所持金ゼロ。 ページ7
『すまん、所持金全部無くなった。帰る為の金が無い。』
……嘘でしょ。
メッセージが来たのは今から数分前。詳しく話を聞く為に、電話をかけた。帝統さんはすぐに出た。
「もしもし、帝統さん?あの、さっき送ったメッセージはどういう意味ですか?」
『そのままだよ、ちょっと遠くの賭場に行ったんだけどよ、所持金全部スっちまって帰れねぇんだわ。』
「で、どうする気ですか…。」
『悪ぃけど、迎えに来てくれねぇか?頼む…!』
まぁそんなものだろうと思っていた。何も無ければ迎えに行っていただろう。ただ、私はこの後に仕事が入っている。
「そうしたい所なのですが、生憎、この後仕事で…。どうしましょう…。」
『あー分かった。じゃあ終わってから来れるか?この辺の駅で待ってる。』
「分かりました、なるべく早く切り上げて来ます。遅くても暗くなる前には終わると思います。」
『悪ぃな。仕事頑張れよ。』
「あ、ありがとう。」
そう言って電話を切った。なんだろう、この気持ちは。まさかそんな言葉を言われるとは思っていなかった。ちょっと、ドキッとした、かも。何とも言えないこの気持ち。
混乱で、その場に立ち尽くしてしまった。そんな事をしている場合では無い、我に返った。
急がなければ。時間は…。
……詰んだ。
話していた時間が長かったのか。立ち尽くしていた時間が長かったのか。いや、両方だろう。
このままでは遅れてしまう。到着が遅れれば仕事も遅れる。周りに迷惑を掛けてしまう。それだけは避けたい。
「急がないと。」
少し小走りに進み出す。
進む足は段々と早くなる。
汗が滲む。
暑くは無いはずだが…。
やはり、さっきの…。
いや、今はそんな事考えている暇は無い。
それからどれくらいの時間が経ったかは分からない。無我夢中に進んだ。乱数さんの事務所に着く頃には全身に汗が伝っていた。
「え、汗びっしょりだけど大丈夫?何があったの?」
「遅れてしまい、申し訳ありません。いや、あの、これには訳がありまして…。あ、別に深い意味は無いのですが…。すみません…。」
「どこぞの社畜そっくりじゃん!取り敢えずおいで〜。」
こんな状態でもはっきり分かる。
乱数さん、凄く苦手なタイプだ…。
こんなんで本当にちゃんと仕事出来るかな…。
✎____________
更新遅くてすみません:( ;´꒳`;)
主が忙しかったりで、3日に1回くらいの更新になってしまうかもしれないですが、気長に待って下さると幸いです…!
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黒い人。 - となりの躑躅森 _ ?.*?????さん» 返信ありがとうございます..!お身体に気を付け頑張ってください..! (2020年10月14日 1時) (レス) id: 913d4eaa3c (このIDを非表示/違反報告)
となりの躑躅森 _ ?.*?????(プロフ) - 黒い人。さん» コメントありがとうございます!とても励みになりました、頑張ります!! (2020年10月13日 16時) (レス) id: de6324bae7 (このIDを非表示/違反報告)
黒い人。 - めちゃめちゃすきです..!!更新は作者様のペースで良いですよ!!更新気長に待ってます! (2020年10月11日 22時) (レス) id: 913d4eaa3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:となりの躑躅森 | 作成日時:2020年6月13日 9時