お節介な保護者 ページ46
＿＿＿＿＿
カチン、と３秒近く硬直した後、紫音は不審者を見るような目で一気に後ずさった。
同時にフィールドのど真ん中で頭を撫でられたことによる羞恥心から、チークを塗ったように頬が色付く。
「何してんの！ボサボサになるでしょ。」
「お前がチビだからこっちの方が楽なんだわ。」
「一応１５０センチはあるし。チビチビ言わないでよ。」
身長が何センチあろうと、自分より低い人にはチビ呼ばわり……まるで小学生だと思った。
また何か言われる前にと、紫音は逃げるように走り去った。
取り残された男子３人。
灰崎と野坂が同時に呟いた。
「「逃げられたな／逃げられちゃったね」」
「お前らいつまで見てんだよ。」
「ヒロト君が紫音ちゃんに失礼なことをするんじゃないかと思ってね。」
「お前は俺の保護者かよ！」
お節介な保護者役はタツヤだけで十分だ、とヒロトは心中でぶうたれた。
「ま、現にやらかしてたけどな。」
「そうだね、もう少し女の子の気持ちを考えた方がいいと思うよ。」
「はいはい。」
説教を聞く気はこれっぽっちもないのでヒロトは軽く聞き流していたが、直後に野坂が聞き捨てならないことを吐いた。
「特に好きな子のことは。」
「＿＿＿は？」
そちらの話題に対しては全く身構えていなかったので、思わず腑抜けた声が出た。
「おい、野坂。お前もう１回言ってみろ。」
「だから、想いを寄せてる紫音ちゃんの前では行動に気を付けた方がいいよってことだ。」
「うわ、お前好きな女いたのか。しかもアイツかよ。」
「灰崎わかりやすく引くんじゃねえよ！てか好きでも何でもねえ！」
「自覚してないのかな？ヒロト君、結構わかりやすいよ。」
「だから好きじゃねえって！」
ヒロトが頑なに否定するのでこれ以上問いただすのを諦めたのか、灰崎と野坂は一瞬顔を見合せた。
「仕方ないから今はそういうことにしておこう。ほら、僕達もそろそろ戻るよ。」
と言って野坂が指さした先には、ぽっかり空いた日本のＦＷの位置。
駄弁っていて気付かなかったが、そろそろ試合が再開しそうだった。
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ツナ(プロフ) - 怪盗あーるさん» わぁ、ありがとうございます！最近リアルでやらなきゃいけない事が溜まってるんですけど、更新途絶えないよう頑張ります(笑) (2020年4月27日 0時) (
レス) id: 04f33d8056 (このIDを非表示/違反報告)
怪盗あーる - いつも更新を楽しみにしています。これからも応援しています! (2020年4月26日 21時) (レス) id: 6e9264e8f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ツナ | 作成日時：2020年4月7日 18時
