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冷静な ページ34

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日本のキックオフで試合再開。

灰崎、タツヤとボールが回され、タツヤから稲森へパス。

ところが稲森がトラップする直前にアナハンが入り込み、普通に通りすがるようにボールを奪われた。


「何してんだ稲森!」


呆気にとられる稲森に、イラついた不動からの一喝。

いとも容易くパスカットされて焦りが見え始めるイレブンを他所に、再びアナハンからダストへパスが繋がる。


「じゃあ今度は正面にいくぜ!」


シュートの軌道をわざわざ西蔭に伝える辺り、ダストは「止められない」と自信満々なご様子だ。

先程と同じモーションで死者の魂を呼び起こし、放ったシュートは宣言通りゴールのど真ん中目掛けて進んでいく。


「お前のシュート如き、抜かせはしない!」


対する西蔭はキャッチ技『王家の盾』で対抗。

しかしシュートの勢いに押され、盾にヒビが入ったと思われた時、それは粉々に砕け散った。

立ち上がり早々の時間で、0ー2と日本はかなりの劣勢。

韓国やオーストラリアを下した日本がここまで追い詰められるとは予想されていなかったようで、実況も驚愕のコメントを残している。


「不味いよね。」

「ああ。やはり精神面の問題か、どこのポジションも連携が取れていない。」


チームの状況を冷静に考える風丸だが、その表情は余裕を失っていた。

普段無表情を貫く紫音でも、キュッと眉間にしわを寄せている。

意味が無いとわかっていながらも、この不安を口に出さずにはいられなかった。


「しかも日本はまだ1本もシュートを打ってないでしょ。」

「キックオフ直後にボールを奪われるのをどうにか防がないとな…。」

「敵のディフェンスのレベルがわからないから、兎に角やってみるしかないと思う。
…始まったら直ぐ、私が打ってみる。」

「冷静なやつがいて助かるよ。頼んだぞ、姫野。」


風丸の手が肩に置かれると同時に、紫音はゆっくりと頷いた。

最初のシューターが紫音になってツートップFWがどんな反応をするか考えると困ったものだが、後のことは後で考えようと思った。

一か八か→←GO



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ツナ(プロフ) - 怪盗あーるさん» わぁ、ありがとうございます!最近リアルでやらなきゃいけない事が溜まってるんですけど、更新途絶えないよう頑張ります(笑) (2020年4月27日 0時) (レス) id: 04f33d8056 (このIDを非表示/違反報告)
怪盗あーる - いつも更新を楽しみにしています。これからも応援しています! (2020年4月26日 21時) (レス) id: 6e9264e8f1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ツナ | 作成日時:2020年4月7日 18時

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