癖 ページ17
＿＿＿＿＿
「吹雪士郎、涼しい顔して何食べさせてるの。私もう子供じゃないって。」
……とはいえ、差し出されたおかずを勝手に紫音が食べただけなのだが。
わざとなのか天然なのか。これが羞恥心による八つ当たりとも気付かずに、吹雪は うーん…と考え込む。
「癖が染み付いたのかもね。今朝も昼も、こうやって食べさせてたから。」
「なんで記憶は無いのに変な癖は残るんだ…。」
紫音は不満を一切隠さず、表情全面で押し出した。
一方、この場にいながらも哀しく置き去りにされている二方は。
「氷浦、こいつら何かあったのか？」
「あぁ、はい。少し信じ難いというか、有り得ないような話なんですけど…。」
口止めされているわけでもないし、バラしたところで問題も無さそうなので氷浦は昨日吹雪に聞いたことをそのまま風丸に話した。
普通は当事者が話すべきだと思うが、どうも２人は必要以上に話を広めようとはしないらしい。
「じゃあ…昨夜から姫野の姿が見えなかったのはサボっているんじゃなく、俺達の前に出て来られなかったからだったのか。」
「風丸一郎太。失敬だな…サボりだと思ってたの？」
「ミーティングもいなかったからな。また森のどこかで昼寝してるのかと思ったぞ。」
わかりやすく嫌味を言われたのには流石に気付かない訳なかったが、この前昼寝でサボったのも事実なのでここは言い返さないでおいた。
「ミーティングの内容って？練習の内容？今日はオフだったって聞いたけど。」
「あぁ、それは＿＿＿」
「…結構不味くない？」
「あぁ、大分不味い。」
食事中に不味い不味いと言ってしまったのは無意識で、断じて料理が不味い訳ではない。寧ろそちらはとっても美味しい。
「次の試合は誰がキャプテンに？」
「それは聞いてないな。」
すると紫音は「ニコッ」ではなく「ニヤッ」とした笑みを浮かべ、自身の右側を向いた。
「白恋中キャプテン、円堂守の代理やれば？」
「僕は円堂君みたいな精神的な支柱にはなれそうにないよ。このチームには個性が強い選手が多いからね…。」
"個性が強い選手" と聞いて紫音は真っ先にＦＷ陣を思い浮かべ、「確かに…」とニヤついた笑みから苦笑いへとシフトチェンジした。
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ツナ(プロフ) - 怪盗あーるさん» わぁ、ありがとうございます！最近リアルでやらなきゃいけない事が溜まってるんですけど、更新途絶えないよう頑張ります(笑) (2020年4月27日 0時) (
レス) id: 04f33d8056 (このIDを非表示/違反報告)
怪盗あーる - いつも更新を楽しみにしています。これからも応援しています! (2020年4月26日 21時) (レス) id: 6e9264e8f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ツナ | 作成日時：2020年4月7日 18時
