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「それからはカナヲちゃんも知っているわよね?最終選別を突破したこととか、カナヲちゃんとの手合わせをしたこととか…」
「…はい。」
あまりに似すぎた境遇で育っていた私達。
でも私はAと全く違う。
Aのような柔い笑みを浮かべられない。
面白い話をすることもできない。
誰かに励ましの言葉のひとつも掛けてあげられない。
自分との差は、鬼殺の実力だけではなかった。
その事実に唇を噛み締める。
「…って!あああ大変!花瓶割れちゃったわね!片付けなくっちゃ!」
そう言って慌てて私の壊してしまった花瓶の欠片を拾い集める。カチャカチャと硝子のぶつかり合う音だけがする。
そしてはっとして大急ぎで恋柱様の手伝いをした。元はと言えば私が壊してしまったのに恋柱様に片付けさせてしまうなんて…。
「こ、恋柱様、これは私が…」
「あら、いいのよ!二人で片付けた方が早いでしょう?」
恋柱様は優しい微笑みを投げ掛けてさぁ、片付けるわよー!っと意気込んでいた。
その真っ直ぐすぎる姿がAと重なった。
血の繋がりはなくても、二人は本当の姉妹なんだ。
「ねえ、カナヲちゃん。」
恋柱様が手を動かしながら私に問う。
私がはい、と返事をすると恋柱様は私を振り返った。
少しだけ眉を下げて恥じらうような表情をしていた。
「あの子と、私の妹と、仲良くしてくれてありがとう。」
硝子の破片を手に持ったまま、笑顔で言った。
陽光に照らされてより一層美しく輝くその表情は、紛れもない妹を想う姉の表情だった。
私は噛み締めていた唇を離した。少しヒリヒリする。強く噛みすぎてしまったかもしれない。
「私、こそ。Aと友達になれて、嬉しいです。」
そう言うと恋柱様は嬉しそうな、安堵したような表情を浮かべた。そしてもう一度ありがとう、と告げると硝子の破片を片付けた。
___Aと出会うきっかけを作ってくれて、ありがとうございます。
声に出したかったその言葉は、温い空気に溶けてしまった。
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hikari - この作品、めちゃくちゃ面白いです! (2022年4月24日 19時) (レス) id: 65eb06c570 (このIDを非表示/違反報告)
美咲 - もし作ることができれば、『<番外編>』を、作ってほしいです。 できますか? (2022年4月7日 17時) (レス) id: 65eb06c570 (このIDを非表示/違反報告)
若菜 - 見ていて、悲しくなって、泣きそうになりました。素晴らしい作品ですね。 (2022年3月13日 15時) (レス) id: 65eb06c570 (このIDを非表示/違反報告)
琴音 - 切ないところもあったけれど、キュンキュンしました!ありがとうございました🙇 (2022年3月12日 17時) (レス) id: 65eb06c570 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな(プロフ) - コメント失礼いたします。とても切なく、それでもあったかいお話で感動しました。同時に、このお話の夢主目線のお話も見てみたいなと思いました。もしお時間があり、いいなと思っていただけたらそんなお話も作っていただけたら幸いです。 (2020年11月3日 21時) (レス) id: 51a3f09150 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白霞 | 作成日時:2020年5月30日 19時