六十七話 ページ42
レベッカに助けられ彼女について行く私たち。
[それも言うならシリュウもそうだろ？]
その声でルフィさんが止まる。私も足を止めた。
｢だが俺は青雉なんざ信用できねェってんだよ。あァちょっと待った船長、麦わらだ｣
バージェスが電伝虫を使い“船長”と言うのを聞く限り、話し相手は黒ひげに間違いないだろう。
ルフィさんの表情や言葉からして、何やら因縁があるようだ。
確か、
彼は笑いながら私たちの元から去っていった。
レベッカに声をかけられまた走る。
途中にあった売店でレベッカにお弁当を奢ってもらい、何やら檻がたくさんある静かな場所に来た。
コロシアムの剣闘士の宿舎で獄舎と呼ぶ人もいるそうだ。
静かとは言えど、檻の中からは複数の人の気配がする。レベッカ同様、ここの剣闘士なのだろうか。
なぜか私たちへの目線が少しだが鋭く感じる。
｢試合すごかったね。驚いたわ、ルーシー強くって｣
｢おめェらは腹減ってねぇのか？｣
『私は大丈夫です』
｢...お腹、空かないの私｣
｢侍みてェなやつだな｣
ルフィさんの後ろから人の気配がひとつ。私の後ろにも。
...捕まる！
『ルーシーさんッ！』
｢捕まえた！レベッカ！やるならやれ！その気で連れてきたんだろ？｣
｢クソッ女の方は捕まえられなかった...｣
剣を手に取るレベッカ。そして狙いはルフィさんに。
｢どうした！やらなきゃお前の目的はどうなる？｣
｢くッ...ハァァー！！｣
『＿＿＿＿
｢うッ...！体が、動かない？｣
能力で彼女の動きを止める。
ルフィさんは自身で掴まれていた男たちの手を振りほどき、何も無かったようにお弁当を食べている。
『私たちからあなたに何も危害は加えてないはずよ...覚悟は？』
｢好きにすればいい...報いは受けるわ｣
『...残念ね＿＿＿＿ディート』
剣を彼女向ける。
一つ息をして決めようとしたその時
｢A、手ェ出すな｣
_______________
テリトリー内でしか発動しない技。あらゆるものの動きを止める。半径5m、対象は5つまでが範囲。
ディート
能力で作られたAの愛剣の1つ。刀身は真っ直ぐの太刀。他にもいくつかあり、状況によって使い分ける。
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作者名：つんてん | 作成日時：2022年8月25日 23時
