五十四話 ページ29
ライオンさんに少し聞いて、この国の大体の場所の位置把握は出来た。
そして、気配が一番近くに居た麦わらさんと鉄人さんの元へ行く。
着いた場所は...“コリーダコロシアム”
｢うおッていッ｣
『わッ！？』
麦わらさんたちを探していたら片足のおもちゃの兵隊が私の横を通り過ぎて行った。びっくりした...
｢あ、イスじゃねェか！おーい！！｣
｢ややッ、お美しいお嬢さんもお知り合いですかな？｣
『麦わらさん、鉄人さん！どうしたんですか、こんな所で？剣士さんも黒足さんも居ないし...
美しいという言葉は私には似合いませんよ、兵隊さん』
｢いやーそれがよ、このコロシアムがやってるバトルの優勝賞品がルフィが欲しくて堪んないんだとよ｣
『はァ？美味しいお肉なら黒足さんが...』
｢...メラメラの実、なんだ｣
『...あの火拳の？』
どんだけ食べ物に目が無いんだと呆れていたら、麦わらさんはいつになく、真剣な表情でこう言った。
メラメラの実といえば、麦わらさんの兄、“火拳”のエースが食べた悪魔の実。
麦わらさんにとってはメラメラの実は、エースさんの形見同然だろう。
｢お願いだ！イス！出場させてくれ！！｣
『い、いや私がどうこう言う問題では無いので...
ですが麦わらさん、時間がありません。さっさと優勝して終わらせましょう』
｢ん？お前ェも出るような口ぶりだが...？｣
『当たり前です、麦わらさんだけじゃ心配どころでは済みません。
工場破壊に徹した方がいいのかもしれませんが、鉄人さんが向かった方が最善かと。よろしく頼みます』
｢アゥ！スーパー俺に任せとけ！｣
｢頼んだぞ！フランキー｣
｢一般からの出場受付締め切りますよー｣
｢おう！俺が出るぞー！！出る出る出るー♬出ッ｣
『ちょっと静かにして頂けますか』
｢は、はァ！？お嬢さんにご老体！やめた方が...｣
麦わらさんの頭を1発殴らせて貰い、受付に行く。
『私とこの方、参加で』
｢おじいさんも出るの？コリーダコロシアムの受付よ？しかもあなたも？｣
｢ああ！俺ら出るぞ！｣
周りがこいつらが？みたいな目をしてくる。
このご老体は今日の新聞の顔だぞ。
｢ルフィ、これだけは守れ？存分にやってはいいが正体だけはバレるな｣
そして麦わらさんが名前を書く。
なんで“ルフィ”って書くの！？と思ったら鉄人さんが突っ込んでくれた。
もう1発食らわせるところだった。
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作者名：つんてん | 作成日時：2022年8月25日 23時
