信じるもの【トラファルガー・ロー】 (ページ35)

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．ページ35

｢こんな母さんでごめんね...スミレ｣

2人の親子は月明かりに照らされながら抱き合い、大粒の涙を流した。

『...悪いのは、お婆さんじゃないです。騙していた海賊です。あなた達は...何も悪くない。私が許します』

“旅人”と名乗った“海賊”。

まさに自分達がしていることでとても胸が苦しかったが、それしか私には言えなかった。

｢＿＿＿A！！｣

薄暗い森の中から私の名前を呼ぶ声がした。

『キャプテン！』

私は溢れそうだった涙を堪え、キャプテンの元に近づくと、グイ、と手を引かれキャプテンの胸の中に収まった。

｢このバカ！どれだけ心配したと...！｣

『...ごめんなさい』

｢...Aを攫ったのは？お前らか？｣

キャプテンはスミレさん達を睨みつける。

そして、お婆さんは吃驚することを口にした。

｢あなた達海賊でしょう？｣

『...え』

｢あなた達は...みんなの思うような海賊じゃない...そう感じただけよ｣

少し微笑みながら話すお婆さん。罪悪感が私の心を沈めてしまう。

すると、スミレさんが私の元に近寄ってきた。

｢...Aさん、今まで騙しててごめんなさい｣

『私も！海賊なのに...旅人だなんて...』

｢＿＿＿“お母さん”の言う通りです｣

『え？』

｢Aさん...Aさんの海賊さん達は悪い海賊じゃない良い海賊です！｣

『...ふふっありがとうございます』

私達4人は別れを告げ、それぞれの帰路へと立った。

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追加設定的な...

この親子、親子では無い歳の差かと思われた方...本当に説明不足で申し訳ありません。

裏話でお話します...

ローズ(お婆さん)とスミレ(娘)は、ある日海賊らの手によって父が殺されてしまいました。

その現場を見てしまったスミレは見つかり、海賊らによって歳を食わないようにされてしまいました。

見た目も中身も子供のまま...一方ローズは、見た目と中身は老人そのものとなりました。
2人はそれ以上若返ることも、歳をとることも無くなりました。

でも本来の寿命はそのまま。
死ぬ事は出来る。ただ歳をとるのを感じられずに死にます。

見た目はローズは70歳、スミレは17歳です。
実年齢で言えば、現在ローズは50歳、スミレは24歳。

こんな感じの設定です。話に入れられなかった...すみません