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貴方side



キャプテンと喧嘩(?)をして次の朝が来た。

喧嘩というより私が一方的に言ってしまったことで少し気まずい状況になっているのだが。





『今日は街でご飯食べようかな』







夕方まで街に入り浸るとするか、と考え支度をする。




支度を終え甲板に出ると、イッカクとシャチが洗濯物を干していた。





「あ、Aおはよう」


「おはよーさん、A朝飯のとき来なかったけどどうすんだ?」


『おはよう2人とも。今日は一日街で過ごすことにしたの。朝ご飯も今から適当に行ってくる』


「なるほどな気をつけて行けよー」


「行ってらっしゃい」





イッカクは何かを察したようで2人は私を見送ってくれた。





____





昼下がり。


朝食として寄った店の店長と仲が良くなり2時間ほど長話をしてしまった。


その後はまたぶらぶらと適当に街を見ていた。







少し気になった物が私の目に留まる。


その物が置いてある店は新しい店が並ぶがこの店は歴史ある店だった。



吸い込まれるように店内に足を踏み入れる。

じっとそれを見ていると店の中から一人腰がだいぶ曲がったお婆さんが出てきた。







「おやおやお客さんなんて久しぶりだねェ、お嬢ちゃん、それが気になるのかい?」


『辺りを見回していたらつい...』






とてもシンプルなブレスレット。と言っても私からするとこれは他のモノより違うものを感じた。

黒色の紐にゴールドの粒がキラキラと輝り、均等な間隔に施されている透明で磨かれた石のような小さいビーズが太陽の光を反射させ、より一層自身を輝かせていた。



ブレスレットをじっと見すぎていたのか、お婆さんにくす、と小さく笑われてしまった。





『ご、ごめんなさい!売り物なのにずっと見ちゃって...』


「いやいや、何か昔の自分を見ているようでね」





お婆さんは柔らかい笑顔の中に少し哀しみが入った表情でぽつぽつと話す。





「もう昔の話になるけど、亡くなった夫が居てね。ちょうどこのくらいの季節だったと思うけど、これに似たようなブレスレットを私に渡してくれたのよ。「僕と結婚して下さい」って言ってね。それ以来、私はこれを肌身離さず持ってるの」




なんてロマンティック何だろう、とその話に浸っていた。
お婆さんの手首を見ると、確かに似ているブレスレットをしていた。






『お婆さん、私これ買います!』


「昔話に付き合ってもらったもの。お金は要らないよ」

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三毛猫推し - 話の区切り方だったり、内容だったり...めっちゃ面白いです!更新待ってます! (2022年8月6日 22時) (レス) @page13 id: 2315a9f657 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:つんてん | 作成日時:2022年8月1日 20時

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