信じるもの【トラファルガー・ロー】 (ページ24)

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今日はこの島の下見として出かけたので、早めに船を止めてある南の方へ向かう。

さっきここに来るまでに通ったちょっとした街がある。“ホテル街”だ。

ある程度歳を取ればどんな所かは分かると思う。正直こういう雰囲気は苦手だ。

なので少し足早に船に帰ろうとしたら意外な人物が見えた。

『え...キャプ、テン？』

キャプテンであろう人は私とは程遠いとても綺麗な女性と腕を組み、街へと消えていった。

私はその現場から早く離れたかった。

何故かは分からないけど。

とにかく逃げたくて。

何が自分を動かしたのかは分からない。

何なんだろうか、この気持ちは。

今まで一緒だったキャプテンが知らない女の人と居て吃驚した？

もう考えたくなかった。

私はコレは無かったものにしようと思った。

だって必要ない。

忘れれば以前と変わらない。

私はコレを自分の奥底にしまった。

＿＿＿＿

寝ていたら晩御飯の時間だった。
イッカクに起こされてなかったら夜中に夜食するところだった。

｢...A元気ないよ？何かあった？｣

『ううん、大丈夫だよ！最近の特訓の疲れが来たのかも』

笑顔で言葉を返す。｢そっかお疲れ様｣と言われたので少しホッとする。そして私たちは隣に座り、今日の晩御飯を食す。

普段通りに皆と話す。

...少しキャプテンの視線が気になるが、気にしない気にしない

食べ終わったあと、案の定またまた呼び出しを食らったのでお風呂などを早めに済ませる。

いつもより船長室に行くのが怖い、というか緊張しているというか。

普段通りに、と心に決めノックする。中から返事があり、部屋に入る。

キャプテンは...いつも通り本は読んでいなかった。

『珍しく医学書読んでないんですね』

｢...理由くらい自分で分かってるんじゃねェか？｣

『...いえ、さっぱりです。いつもみたいに馬鹿にされるのかなと』

｢それは悪かったな｣

そう言い、彼は私の方へ姿勢を向き直し、視線が刺さる。

｢何故俺の目を見ない？｣

『...』

｢黙ってちゃ何も分からねェ、何か悪いことをしたのなら謝る｣

正直な事を話すのは恥ずかしかった。

でもここで言わないと私気持ちが晴れない。

私は心を決めた。