刀剣男士に誘拐されました。

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『出来ました』

清光さんの爪を塗り終わり
筆を置く

「可愛い〜、ありがとう！」

『どういたしまして』

次は安定さんの髪結いか


『櫛とかありますか？』

「あるよ」

流石清光さん


懐から櫛を取り出す

『使わせてもらいますね』

「はーい」


私は安定さんの後ろに行き
髪をおろす


『ふわふわですね』

わんこみたいな毛触り

「上手く纏まらなくて
僕は困ってるんだけどね…」

ゆっくりと撫でるように
櫛で梳かしていく

『そうなんですか？
もし良ければ明日も結いますよ』

「え、いいの？」

『はい』

誰かの髪の毛いじるのは楽しいし

『少しキツイかもしれないです
痛かったら言ってください』

髪を頂点へと持っていき、纏まったところで
自前のヘアゴムを使い、髪を縛っていく


『よし、こんな感じかな』

最後に白いリボンを巻いて完成した


「凄い…振り回しても崩れない」

頭をブンブンと振る安定さん

気に入ってもらえてなにより

「Aって器用だね」

『うーん、仕事のおかげかな…？』

ラッピングをしたり、茎を揃えたり
細かくて繊細な作業が多かったから

「なんの仕事してるの？」

『お花屋さんだよ』

「へぇ〜！」

花は綺麗…という理由から
なんとなくバイト感覚で始めた仕事だけど

自分にはぴったりの職業だったらしく
仕事が物凄く楽しかった

「ねぇねぇ、僕達に似合う花とかある？」

安定さん達に似合う花か…

うーん…


『安定さんは白いチューリップですかね』

花言葉は《思いやり》

大好きな沖田さんを思う気持ち

そして、たまに喧嘩するけど
清光さんを思う気持ち

言葉にしなくても
彼の思いやりは伝わってくる

『安定さんにぴったりの花です』


「俺は？？」

清光さんは…

『赤いカーネーションかな』

花言葉は、《深い愛情》

清光さんは、愛情に執着している気がする

誰かを愛したい
そして、自分も愛されたいと

…清光さんらしい

「へぇ…今度その花見せてよ」

「僕も見たいな〜！」

刀だから、花を見ることは
少なかったのかな

『良いですよ』




私は約束をした

いつか、その花を見せると

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