大の大人がトリップしてしまった。【男主】 (ページ6)

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探偵ページ6

ガツガツガツ…

隣からご飯をかきこんでいる音が聞こえる。

敦君、本当にお腹空いてたんだね…

国「おい太宰、早く仕事に戻るぞ。仕事中に突然「良い川だね」とか云いながら川に飛び込む奴がいるか。おかげで見ろ、予定が大幅に遅れてしまった。」

国木田さんはそう言って表紙に「理想」と大きく書かれた手帳を見つつ太宰さんをキッと睨む。

太「国木田君は予定表が好きだねぇ」

次の瞬間、国木田さんが手帳を机に叩きつけた。

びっくりしたぁ…

国「これは予定表では無い！！理想だ！！我が人生の道標だ。そしてこれには…『仕事の相方が自〇嗜癖』とは書いていない」

敦「ぬんむいえ、おむんぐむぐ？」

そんな中でも敦君はお茶漬けを頬張りながら国木田さんに話しかけた。

『口にご飯粒ついてるぞ…』

敦「むぐ…」

敦君はもぐもぐしながら口についたご飯粒を指で拭っている。

国「五月蝿い。出費計画の頁にも『俺の金で小僧が茶漬けをしこたま食う』とは書いていない」

えっ何で答えられんの…

敦「んぐむぬ？」

また敦君が聞くと、国木田さんは机を叩いて答える。

国「だから仕事だ！！俺と太宰は軍警察の依頼で猛獣退治を──」

太「君達なんで会話できてるの？」

『右に同じく…』

敦「はー、食った！もう茶漬けは十年は見たくない！」

国「お前………」

『まぁまぁ…』

ごちゃごちゃと積み重なった茶碗の前で満足そうに笑っている敦君と予定を乱されて相当ご立腹な国木田さん。

敦「いや、ほんっとーに助かりました！孤児院を追い出され、横浜に出てきてから食べるものも寝る所もなく………あわや斃ﾀﾋかと」

あっ孤児院の子だったのか…

太「ふうん…君、施設の出かい？」

敦「出というか………追い出されたのです。経営不振だとか事業縮小だとかで…」

えっ結構闇抱えてるよこの子

太「…それは薄情な施設もあったものだね。」

国「おい太宰、俺たちは恵まれぬ小僧に慈悲を垂れる篤志家じゃない。仕事に戻るぞ。」

仕事…？

『お二人は何のお仕事をされているんです？』

太「なァに………探偵さ。」