倫也さん。-２-

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『でも、映画の撮影始まる頃には

結構お仕事落ち着くんで…』


「あ、そうなの？」


『はい、今が頑張り時って感じなんで』


「じゃあ、また夜桜見に行こうか」


『…え？』



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私じゃなくて、机の方を見ながらそう言う

倫也さんの目線を追うと

私のスマホに。


スマホを見ると、ちょうど通知がきていたみたいで

ロック画面と通知が表示されてる。



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『あ！ちょ、待って、見ました！？』



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ロック画面。


今までだったら別に見られても大丈夫だったけど、

最近の倫也さん不足で、

ついつい勢いでこの前、倫也さんと一緒に夜桜を

見た時に撮った

タバコを吸ってる倫也さん。



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「ん〜？バッチリ見ちゃった」



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咄嗟にスマホを隠した私を、にこにこしながら

見てる倫也さんに恥ずかしくなる。



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ロック画面なんて、そんなに見られることないし

って思ってたけど

まさかの本人に見られるなんて…。


完全にやらかした…。



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「まさか、ロック画面にしてくれてるなんてね」


『いや、あの…、桜が綺麗で』


「へぇ〜」


『…ぅ、そんな顔しないでくださいっ！』



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にこにこしてた顔が、にやにや顔になって、

余計恥ずかしくなる。



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「桜が綺麗だったなら桜の写真で良くない？」


『そ、それは…！』


「Aちゃん、俺の横顔好きだもんね？」


『…なんでそれ』



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つい反応しちゃった…。

これじゃあ、バレないようにしてたのに

横顔好きなのバレちゃうじゃん。



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「俺の横顔、すげぇ見てるの知ってるよ」


『…』


「特に運転してる時とかね？」


『…うるさいですよ、もう』


「ははっ、照れんな照れんな」



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もうほんと、色々バレすぎ。

そりゃ、運転してる時の

倫也さんの横顔凄い好きだし、

幸せだな、なんて思っちゃうんだもん。



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