こう見えても友達なんです。

13.D ページ13

〆．



「おお！良かったやん！」



「でしょでしょ？」



「おめでと！ほんでこの料理たちか」



「嬉しくて、つい」



「そんなん先言うてやぁ、俺が作ったるやん！」



A、めっちゃ嬉しそうやねん。



お偉いさんと体の関係作らんでも、Aの才能は誰かが気付いてて、実力も認められてんねん。



俺かて、その一人。



「今日はかみやママンと飲みに行かんかってんな」



「大毅に早く、直接報告したかったから！」



Aの言葉に、心が温かくなる。



言うことがいちいち可愛ええんよ。



「よしよし。なんかご褒美あげるわ。何がいい？」



「え、やった！ん〜」



ホールケーキ？それとも抱き枕？



どうせねだるもんも可愛ええんやろうな。



「あ、なんでもいいなら、キスがいい！」



「……………キス？」



「うん！大毅からの！」



なんや、それ。



「……ほんま、可愛ええな」



おいで、とAを呼び寄せ、自分の足の上にまたがらせる。



「どんなキスがええ？」



「どうしようかな？大毅とのキスはなんでも気持ちいいからなぁ」



「ほんま、小悪魔やな」



「何が？」



「いーや？」



鼻をくっつけたまま喋る。



唇ちょっと尖らしたらすぐくっつくんやけど、焦らしてまう。



「大毅」



不満顔。つい意地悪したなんねん。



「ごめんて」



ちゅ、って音が立つんやけど、Aは物足りひんみたい。



「それだけ？」



「んなわけ」



ご褒美やねんから、いつもより長く。



いつもより甘く。



いつもより………。



〆．

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