☆.44 ページ44
「……せやから、」
「………」
「すごいなぁ、って思います」
「……え？」
「僕は、たった３ヶ月で心折れそうやし」
「………」
「報われなくても、って思われへんし」
「………」
「何十年も、彼女のことを待ち続けることができるんかって言われたら、答えらへんし」
「………」
「Aちゃんみたいに、大好きって、何の迷いもなく、真っ直ぐには言えへんから」
自分で区切りをつけて
終わらせることよりも
そこに居続けることの方が
しんどいし、難しい
ずっと、想い続ける方が
何倍も覚悟がいるでしょう？
丸山さんは、
私のことを真っ直ぐ見つめて
そう、言った
「Aちゃんは、バカじゃないです」
「………」
「それだけ、誰かのことを想えるって、すごいことやと思うから」
「………」
「…………ねっ？」
もう、丸山さんは
悲しい顔はしてなくて
" ほんまに好きって、そういうことやねんな "
と、
何かが、吹っ切れたような
そんな顔をして
やっぱり、優しく笑った
30年にも及ぶ
私の、大きな片想い
きっと、まわりに話したところで
" バカじゃないの？ "
" いつまで、夢見てんの？ "
そう言われるのがオチだって
ずっと、決めつけてた
否定される、って
そう思ってた
こんなふうに
自分の想いを受け止めてもらえて
共感してくれて
そっと、背中を押してくれるなんて
そんなこと
あるはずないって、思ってた
「……………っ、わたし、」
「ん？」
「……すきで、いいのかなっ」
「…………」
「……グスッ、……おおくら、のこと」
もう、本日何回目か
わからない、涙がこぼれた
「いいと思いますよ？」
「……………ぅ、……っ」
「………と、いうか」
「…………………グスッ……」
「そう、したいんでしょう？」
ニッコリと
優しく微笑む、丸山さん
「……さっきまでの愚痴も、ぜーんぶ」
「……っ、……グスッ」
「そんなところも大好き、って 僕には聞こえたから」
その笑顔も、言葉も
全部、ぜんぶ
ほんとに優しすぎて
またしても
大号泣を、かましてしまった
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2592人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
tomo.(プロフ) - まききさん» ありがとうございます！吹っ切れた主人公が、今後どうなるのか…大倉くんの真意は…じれったい2人をあたたかく見守って頂けると嬉しいです(^^)更新がんばりますね！ (2015年9月18日 20時) (
レス) id: c052333385 (このIDを非表示/違反報告)
まきき(プロフ) - こんばんは☆更新お疲れ様です！主人公ちゃんの吹っ切れた様子に、わたしまで清々しいです。たくましい子ですね☆また、たっちょんの前日の行動気になりまくりです！楽しみにしてますね！ (2015年9月13日 21時) (レス) id: 3542d6d295 (このIDを非表示/違反報告)
tomo.(プロフ) - みちゅさん» ありがとうございます！はじめまして(^^)この作品を楽しみにして頂いて、そして他の作品も読んで頂けているなんて、ほんとに感激です(T_T)ありがとうございます！更新がんばりますっ！！ (2015年9月13日 16時) (レス) id: c052333385 (このIDを非表示/違反報告)
tomo.(プロフ) - あーちゃんさん» ありがとうございます！ずっと書きたいなぁ、と思っていた、幼なじみのじれったいお話です(^^)これからも読んで頂けると嬉しいです！更新がんばりますね(^^) (2015年9月13日 16時) (レス) id: c052333385 (このIDを非表示/違反報告)
tomo.(プロフ) - ちゅーちゅさん» ありがとうございます！そんなに楽しみにして頂けているなんて、嬉しいすぎます(T_T)更新、精一杯がんばりますっ！！！ (2015年9月13日 16時) (レス) id: c052333385 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：tomo.
| 作成日時：2015年9月8日 0時
