大倉との腐れ縁【緑】

☆.29 ページ29

その日は、

久しぶりに泣いた









慣れてるけど

今までだって、こんなこと


数え切れないくらいあったけど









でも、変な大倉のせいで

期待なんかしちゃったから









今回は、さすがに落ち込む









だいたい、あいつ

いつの間に、彼女できてんだよ









この間、泊まりに来た時


パスタを作ってくれた日









あの日は、普通だったし

そんな感じもしなかったから





きっと、あの日から

今に至るまでの、いつかだな









あ、ちょうど

私と丸山さんが出会ったくらい？









なんて、皮肉なもんだ









こっちは、出かけて

お前のグループのメンバーと出会ってんのに









なに、自分は勝手に

どっかの女の人と



そういうことになってんの









大倉に、彼女ができたところで

とくに変わらないのが、私たち









ふらーっと、やって来るのも

泊まりに来るのも

ご飯に行くのも









別に、何も変わらない









話題に、大倉の彼女の話が

のぼってくるくらい









何も、変わらないから


今まで通り









大倉に、聞けるものなら聞いてみたい









私と、彼女の違いってなに？

どう違うの？

なにが違うの？









きっと、あれもこれも

ぜーんぶ違うんだろうな









それならそれで、教えてほしい









俺にとって、



お前はただの腐れ縁だって

家族みたいなもんだって

恋愛対象にはならないって









そう、ハッキリ言ってほしい









わたし、大倉に直接

グサグサ言われないとさ





きっと、いつまでも待ってるから









たくさん考えようが

悩もうが、泣こうが



結局は、答えは1つしかない









大倉のことが、すき









私と大倉の未来に

何かが待っているのなら



教えてほしい









もうほんと、なんなの、あいつ









そんなことを考えて

腹が立って仕方ないのに



浮かんでくるのは

大倉の笑った顔ばっかりで









とにかく、涙が止まらなかった





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