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『あ!赤葦!』
夜の街並みを見ていたAは、唐突に何か思い出したらしい。
『プレゼント交換しよう!』
遡って北海道に発つ朝、Aたっての提案で「お互いにプレゼントを買って、函館で交換」することにした。因みに予算は1500円。
2人してごそごそと荷物を漁って、せーのでプレゼントを出す。
『えっ!?あ、オルゴール堂!行ったの!?』
「うん。いろんなのあってすごかったよ。」
『中見ていい?』と尋ねてくる彼女に頷くと、いそいそと箱を開ける。
『わ…!可愛い、メリーゴーランド!』
予算の都合もありあまり高いのは買えなかったけど、彼女はメリーゴーランド型のオルゴールを手に目を輝かせている。
『すっごい嬉しい!ありがとう!大事にする〜』
喜んでもらえたようで何より。
「Aのは…白い恋人?」
オルゴールを慎重に箱に戻し終えた彼女は、俺の言葉に首肯した。
『そう!白い恋人パークっていう、可愛らしい所行ったんだ!』
これ!と写真を見せてもらった。
様々な花の咲く庭に、洒落た建物。世に言うインスタ映えしそうな場所だ。
紙袋の中を覗いてみると、白い恋人をモチーフにしたマグカップとカラフルな飴の詰め合わせ。
飴の方はパーク限定らしい。美味しそう。
「ありがとう」
マグカップ、汚すの勿体無くて使えないかも。なんて言うと、使ってね!?と突っ込まれた。
飴…せっかく買ってきてくれたのだから、正直一粒も他のやつに取られたくないなぁ
こっそりと全部、俺だけで食べよう。
プレゼント交換を終えて、再び夜景に視線を戻してこの2日間の出来事をお互い沢山話す。
木兎さんへのお土産に変なTシャツ買ったとか、ソフトクリーム2日間で3つ食べたとか。
みんな買い物を終えたのか、展望フロアに梟谷の制服がちらちら見え始めたが、隣の彼女は相も変わらず俺にぴったり引っ付いたままだ。きっと気づいてないんだろうなぁ。
まあ見られたとしても、それはそれで牽制になるので、俺としては寧ろ万々歳なのだが。
ふわりと彼女の手を包み、いつものように恋人繋ぎをする。
Aは少し照れてはにかむだけで、特段抵抗はしなかった。
それから集合時間までの約30分間、結局最後まで俺たちは手を繋いだまま駄弁っていたのだった。
”伊丹くん!あのバカップル撮って!”
”お!?うわ、公共の場で堂々とイチャついてんなぁ”
”リア充め、後で写真送り付けて弄ってやる”
”金目、目が怖いんだけど”
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とみーさん(プロフ) - アニメ大好きwomanさん» ありがとうございます!本当に更新お待たせして申し訳ないです(--;) (2019年10月2日 1時) (レス) id: e806159e05 (このIDを非表示/違反報告)
アニメ大好きwoman - とっっても面白いので早く続きが読みたいです! (2019年9月30日 3時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)
とみーさん(プロフ) - 鶴まじ天使さん» うわぁぁありがとうございます! (2019年8月31日 0時) (レス) id: e806159e05 (このIDを非表示/違反報告)
鶴まじ天使(プロフ) - ふふっ夢主ちゃんと赤葦のやり取りが見てて微笑ましいですね(笑)すごく微笑ましくて面白いです!これからも更新頑張ってください!応援してます! (2019年8月29日 7時) (レス) id: 2390bd5229 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とみーさん | 作成日時:2019年8月20日 12時