木兎家の夕飯 ページ19
宿題を終えたAは次第に声が小さくなり、遂には何を言っているのかすら分からなくなる。
ああ、眠いんだな。
「…A、眠いね。ちょっと寝る?」
『んー…』
「ほら、おいで」
ベッドだとガチ寝するから(次の日の朝まで起きない)、俺の足の間にAを座らせ、後ろからぎゅっとする。
こうするとAは俺にもたれて寝れるし、俺は癒されるし、一石二鳥。
さらには身長差的にAの頭に顎を置いて休めるから一石三鳥。
ふと時計を見る。机の上のデジタルは16時過ぎを指していた。
木兎さん母、木兎さんを連れて買い物行ってから結構経つな…大方、気を使ってもらっているのだろうか。
今日は木兎さん母が夕飯を食べていけと言ってくれたので、恐らく7時過ぎまで居座ることになるだろう。ちゃんと親には連絡済みだ。
すーすーと聞こえてきた彼女の寝息を聞きながら暫くぼーっとしていた。そして気付いたら俺も寝ていて。
「ヘイヘイヘーイ!!ただいまぁぁー!!!」
という木兎さんの声とドタドタと忙しない足音で目が覚める。
ばっと時計を見る。……18時前。まあまあ寝たな。
続いて木兎さん母の声。
「お二人さん、ただいまー!ご飯さっと作るから、もう降りてきてね〜」
下の階から聞こえる声に「はい!」と返事をしてAを起こす。
「A!ご飯。起きて。」
『んぅ〜』
いやいや、と首を振るA。そして、ぐっと俺の腕を掴んで離してくれない。困った。
「A!サーモンあるからね〜」
タイミングを見計らったかのように下から声が掛かる。
「…ほら、サーモンあるって」
『サーモン!?』
「よし起きた」
彼女と共にリビングに降りると、トントンと具材を切る音。
「おっ!来た!!赤葦、A!今日サーモンだぞ!!」
俺が母ちゃんに提案してやったんだからな!と得意げな木兎さん。『わーい!ありがとう!!』と飛びつくA。相変わらず仲がいい。
「本当にサーモン好きだよね、A」
『うん!大好き!!』
満面の笑みを浮かべるA。
直後、
『あ!お母さん!私もやる〜』
「よーし!じゃあAはそっちで味噌汁作ってね〜。具材は任せた!」
『了解!!』
という会話とともにキッチンの方へ消えた。
___大好き……か。
”いや、落ち着け。あれはサーモンが大好きという意味であって……収まれ不整脈。深呼吸とポーカーフェイスを忘れるな…”
”あかーし何1人で難しい顔してんの??”
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とみーさん(プロフ) - アニメ大好きwomanさん» ありがとうございます!本当に更新お待たせして申し訳ないです(--;) (2019年10月2日 1時) (レス) id: e806159e05 (このIDを非表示/違反報告)
アニメ大好きwoman - とっっても面白いので早く続きが読みたいです! (2019年9月30日 3時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)
とみーさん(プロフ) - 鶴まじ天使さん» うわぁぁありがとうございます! (2019年8月31日 0時) (レス) id: e806159e05 (このIDを非表示/違反報告)
鶴まじ天使(プロフ) - ふふっ夢主ちゃんと赤葦のやり取りが見てて微笑ましいですね(笑)すごく微笑ましくて面白いです!これからも更新頑張ってください!応援してます! (2019年8月29日 7時) (レス) id: 2390bd5229 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とみーさん | 作成日時:2019年8月20日 12時