ちょっと昔の話。 ページ16
思い返せば、去年の今頃だったか。
｢じゃあ自己紹介な〜、出身中と趣味と特技、あと興味ある部活ー。じゃあ1席から｣という新入生恒例行事。
自分の番を早々に、かつ無難に終えてからは、ずっと放課後のことを考えていた。
今日からやっと、あのボクトコウタロウのいるチームでプレーできる…
まあ推薦だから、春休みからちょくちょく練習に参加しては来たのだけれど。
＿ただただ、言われたことを淡々と。
中学はそうやってバレーと向き合ってきたし、それで特別困ることもなかった。
けど、あの人＿ボクトコウタロウの試合を見ていたら、思ってしまった。
＿あの人と同じコートでバレーをしてみたい。
＿あの人にトスを上げてみたい。
物思いに耽っている頭に、それはよく響いた。
『木兎A！丑三中出身、趣味バレー、特技バレーで、バレー部にしか興味ないです！よろしくお願いします！！』
”ボクト”？
よく通るソプラノの声に振り返る。
屈託のない笑顔に、白銀の髪。
細めた金色の瞳も、やはりボクトコウタロウを彷彿とさせる。
妹かな？ってか絶対妹だよな、あれ。妹もバレーやってるのか。ポジションどこなんだろう。
頭の中を飛び交う思考。彼女が着席してからも、思わずガン見してしまっていた。
そんなこんなで、俺はいつの間にか鳴っていたチャイムにも気づかず。
相変わらずぼーっと彼女の方を見ていると、目が合う。
元気よく席を立って…ん？気のせいか、こっち来る？
迷いなくこちらにきて、ついに目の前に。
『ね！えっと、あかーしくん？バレー部？？』
｢え、まあ。｣
『ポジションは？』
｢中学はセッターしてた。｣
『そーなの！じゃあさ〜…』
第一印象、コミュ力オバケ。
矢継ぎ早に出てくる質問に少したじろいだ。
｢あ、えっと木兎さんってさ、お兄ちゃんいるよね？｣
この際だから、会話の切れ目を狙って取り敢えず聞きたいことを聞いてみることに。
『うん！2年の木兎光太郎！知ってるの？』
｢うん。やっぱり兄妹なんだ。｣
『そーだよ！そっかぁ、あかーしくん、バレー部入ったらにぃの後輩だねぇ』
そりゃあな、と思いながらもそうだねと返す。
『にぃ、扱い大変だけど頑張って〜』
｢うん？｣
チャイムとともに席に戻っていく彼女。
最後の言葉に疑問符が飛ぶ。
”あの時は木兎さんがあんな手のかかる末っ子だとは思わなかったなぁ…”
”へぶしっ！！えっ、もしかして俺、今噂されてる！？！？”
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とみーさん(プロフ) - アニメ大好きwomanさん» ありがとうございます！本当に更新お待たせして申し訳ないです(--;) (2019年10月2日 1時) (
レス) id: e806159e05 (このIDを非表示/違反報告)
アニメ大好きwoman - とっっても面白いので早く続きが読みたいです！ (2019年9月30日 3時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)
とみーさん(プロフ) - 鶴まじ天使さん» うわぁぁありがとうございます！ (2019年8月31日 0時) (レス) id: e806159e05 (このIDを非表示/違反報告)
鶴まじ天使(プロフ) - ふふっ夢主ちゃんと赤葦のやり取りが見てて微笑ましいですね(笑)すごく微笑ましくて面白いです！これからも更新頑張ってください！応援してます！ (2019年8月29日 7時) (レス) id: 2390bd5229 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とみーさん | 作成日時：2019年8月20日 12時
