【H×H】クロロに愛されるだけ【短編集】 (ページ28)

今日:15 hit、昨日:37 hit、合計:175,596 hit

2 ページ28

「Aちゃん、で合ってる?」
『ハイ、アッテマス』
「すごい片言」

無理〜サファリパーク〜
この人が怖い以前に初対面の人と話すのが苦手だ。

「俺はクロロ。道案内よろしくね。
...そんなに警戒しなくても何もしないよ?」
『あっハイ』

無理〜サファリ(以下略)
警戒する要素しかないぞ??
そんな困ったような顔されても警戒するぞ私は!!シャーッ(猫の真似)

『い、行先はどこですか...』
「この〇〇公園ってところ。桜が綺麗だって聞いてね」
『桜...ぁ、えと。歩いて30分くらいです』
「30分かぁ。付き合わせちゃって大丈夫?」

逃げたい。とてつもなく逃げたい。
断れないのがジャポン人の性ってやつで。

『だいじょうぶ、です』
「ほんと?ありがとう」

ニコニコ笑うクロロさん。
あぁ...果たしてこれでよかったのか。
そう思いつつ歩き出した。

「Aちゃんは高校生?」
『あ、そう、です』
「そっか。俺は普段何してると思う?」
『え』

仕事...うーん、まず仕事やってるのか。
戦闘力がいるってことは、なんだろう。

『ハンター、とか』
「んー、近いかな?確かに危険な事はしてるよ。よく分かったね」

危険なこととは。
さすがレベル966は違うわ。

でも、色々話してみるとそこまでやばい人じゃ無さそうだ。

『あ、着きました』
「へぇ、ここなんだ。案内してくれて本当にありがとう」
『いえ』

悪い人じゃない、かな。うん。
その後は連絡先も交換して、今度遊ぶ予定まで作ってしまった。

「またね、Aちゃん」

手を振られたので振り返した。
...あれ?
警戒心どこいった??

まぁ、いいか。

_____
「はぁぁA、好きだ...」

壁に寄りかかって、顔を片手で覆った。

最初は警戒されまくってどうしようかと思ったが...
別れる時には連絡先を交換して、次会う約束までできた。
最高だ。

少し控えめな笑顔で、手を振り返すAを頭に浮かべ、また好きだと呟いた。

その深い愛が、好感度としてパラメーターに出ていることを、二人は知らない。