【H×H】クロロに愛されるだけ【短編集】 (ページ25)

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死にたがりの苦悩ページ25

死にたい。

理由はない。強いていえば生きる理由が見当たらないだけ。

さようなら。
まぁまぁな人生だったよ。

私は学校の屋上から、飛び降りた。

『なのに、どうして生きてるの』

気が付けばそこは、大都会の夜。
辺りの建物には大きくネオンで光る"ヨークシン"という文字。
地名かな。ニューヨーク?

...あれ?

『おかしいな』

こんな文字知らないのに、なんで読めるんだろう。
まぁ、いいか。

「君、君もオークション会場へ?」
『...オークション?』

警察のような人に話しかけられる。
オークション。
現代の日本ではそこまで聞かない響きだ。
ついでだから行って、その後もう1度死のう。

『オークション、いけるの?』
「参加証は持ってるかい?」
『...持ってない』

なんだ、行けないのか。
残念、と思った時。

「あっ!!A!?貴方も抜け出してきたの?」

1台の車から聞こえた声。
そこには水色の、少し跳ねた髪の可愛らしい少女がいた。

だれ?

「知り合い?」
「うん!私の親友!」

親友...そんな記憶、ないけど。

「Aも一緒にオークション行こ!」

ね、いい?とその少女は男性に聞く。
もちろん、と笑うその人は少し胡散臭い。

「乗って乗って!」
『...うん』

少し不安だけど、オークション行けるならいいや。

_____
おしゃれな雰囲気の店。

「占い、出来るんだって?」
「うん、得意だよ」

俺も占ってくれる?と彼は言った。

少女...ネオンは、もちろんだと、彼に名前などを書かせた。
ちなみに、ネオンの名前はさらっと聞いた。私にべったりくっついている。

ネオンの占いを書く姿を、懐かしく感じた。
これは、この世界にいた私の記憶だろうか。だとしたら、やはり私はネオンと親友だったのだろう。

「はい、できた!
そうだ、ついでにAに運をかけてもらったら?」
「運を?」

そんなのやり方知らない。

「私の占いで、どうやっても死ぬって時に、Aに頼んで幸運を呼んでもらうんだって」
そうしたら100%死ぬことがなくなって、お金儲けもガッポリって!

そう語るネオンは可愛い。
可愛いけどやめて。

「へぇ、俺も運欲しいかも」

興味持たないで。
こっち見ないで。