死に急ぎ ページ21
Aが鬼狩りであった頃の、とある時期の話。
早く力をつけなければ。
今の自分の頭にはそれしかなかった。
カナエさんが命を落とす戦いが、刻一刻と迫ってきている。原作が始まってしまう。今の私なんかじゃ到底救けることなど出来ない。
『夜の呼吸 壱ノ型＿寂静の零時』
ただひたすらに鬼を切る。しかしダメだ、いくら弱い鬼を切ったって、それが強さに繋がる訳じゃない。しかし切るしか強くなる方法を知らない。どうすればいい。どうすれば、もっと。
早く、強く。
.
「俺は、心底後悔している」
怒りと悲しみが混ざったような表情に、私は何かを間違えたのだと悟った。
「君を鬼殺の道へと導くべきではなかった」
『煉獄、さん』
「俺は決して君が死に急ぐ姿を見たかった訳では無い」
無茶な戦い方をした。度重なる戦いに対して休養も取らず、他の隊士の応援に向かっては、また任務へ向かった。
その結果、一歩間違えば死んでいたであろう怪我を負ってしまった。決して勝てない相手ではなかった。
「暫く君に任務の通達がいかぬよう、お館様へ文を出す」
『…え？』
幸い怪我は後遺症になりそうなものではなかった。
よかった、まだ戦える。早く治して復帰しなければ。
そう思っていた時に、煉獄さんから告げられた言葉に頭が真っ白になった。
「花柱殿にも、君をベッドに縛り付けるように頼んでおこう」
『ま、待ってください、それは…っ』
「A。これでも俺は妥協したぞ」
本来なら、無理にでも鬼殺隊を辞めさせたいところだ。
そう冷たく言われて、私は何も口にすることが出来なくなった。
とんでもない足止めを食らっている。
怪我はみるみるうちに治っていった。任務にだって行けたはずだ。なのに行けない。この時間があれば鬼を狩れた。鍛錬もできた。
『カナエさん、私はもう大丈夫です』
「あらあら、私には大丈夫には見えないわ〜」
『義勇さん、助けてください』
「…煉獄から話は聞いた。諦めろ。…愚か者だ」
片っ端から知り合いに助けを求めるが、誰も味方がいない。どうしてこうなったんだろう。
私は強くならなきゃいけないのに。時間が無いのに。
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ナキサ(プロフ) - 飛鳥さん» こちらこそ読んでくださりありがとうございました！ (2021年11月22日 19時) (
レス) id: 9d3d6315a8 (このIDを非表示/違反報告)
飛鳥 - ものすごい大作に出会ってしまいました……ありがとうございますありがとうございます… (2021年11月22日 9時) (レス) id: d3040dc27e (このIDを非表示/違反報告)
ナキサ(プロフ) - あまねさん» 読んでくださりありがとうございます！楽しんで頂けたようでとても嬉しいです。 (2021年11月15日 23時) (レス) id: 9d3d6315a8 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 最初から最後まで一気読みしちゃった笑､､､待ってなんでこの神作に早く出会わなかったの？私バカなの？((((喧しいわ (2021年11月14日 9時) (レス) @page23 id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
ナキサ(プロフ) - meruriさん» コメントありがとうございます！感動していただけれ嬉しいです (2021年10月28日 22時) (レス) id: 9d3d6315a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナキサ
| 作成日時：2021年3月5日 14時
