【煉獄杏寿郎】全力で救いたい！【トリップ】弐

捌拾漆 ページ40

だとしたら、私は元々こちらの世界の人間ということになる。

この世界へトリップしてきたのも、元の世界に戻ってきただけということになる。

いやいや、そうだとしても。

私の家族だって沙夜さんの子孫なはずなのにあっちの世界でのほほんとやってきたし。

私に世界を渡る力なんてものあるはずがない。

…もしかしたら、あるのか？

「そうだ。お前も鬼にしてやろう。安心するがいい、あの女も元は鬼狩りだ」
『お断りです、クソ野郎』

絶対沙夜さんも嫌がってたでしょそれ。
嫌がってたのに鬼にしたでしょそれ。
誰がなるか。

もがいていたら、ブワッと炎が燃え上がると同時に、手足が自由になった。

「無事か、A！！」
『はい！』

煉獄さんだった。ありがとう！！こういう所が頼もしくてかっこいいんだよね！！推し！！

すぐさま刀を握り直し、無惨から距離を置く。
また振り出しに戻った。

「夜明ケマデ1時間5分！」

私と話している間に5分が経過していたようだ。
時間稼ぎにはなったな。

そうこうしているうちに、無惨の毒が体に回ってくる。
動きが鈍ってきた。

すると、突然猫が現れる。
珠世様の猫、茶々丸だ。

茶々丸が背負った注射器を私たちの体に刺す。

一気に体が楽になった。
激痛が収まり、脈が安定し始める。

茶々丸ーーーーー！！！！！！！

「何か知らんが通りすがりの猫に助けられたぜェ！！」
『茶々丸ありがとう！！』

この場の唯一の癒しだよ、茶々丸。
そう思ってたらイラついた無惨が茶々丸を切り刻む。

茶々丸ーーーーー！！！！！！！

いや鬼化してて生きてることは知ってるけど、知ってるけど！！

『許さない…！！』
「ああ」

屈指の猫好き、悲鳴嶼さんも私の怒りに同調した。

悲鳴嶼さんは斧と鉄球を勢いよくぶつけ合う。するとその刀は赤く染まり、赫刀になった。

不死川さん、義勇さん、宇髄さんは刀をぶつけ合うことで赫刀に。

伊黒さんは全ての力を握力に使うことで赫刀に変えた。
しかし、そのせいで直後に動けなくなっていた。

攻撃を避けれない伊黒さん。

すると、見えない何かによって伊黒さんが空中へと避ける。

善逸、伊之助、カナヲ、そしておそらく獪岳としのぶさんだ。


それはおいといて。

赫刀にするには、まずお互いの腕力が同じくらいでないと成り立たない。
不死川さんたちのようにはできない。

…私どうやって赫刀にしよう。

煉獄さんと蜜璃ちゃんは普通に握力で赫刀にしてた。
強過ぎかよ。

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