【煉獄杏寿郎】全力で救いたい！【トリップ】弐

陸拾漆 ページ20

「竈門少年！君の妹は君がなんとかしなさい」
「ぐずり出すような馬鹿ガキは戦いの場にいらねぇ。地味に子守り唄でも歌ってやれ」
「は、はい！」

これで柱は集合か。
善逸達もすぐにくるそうだ。
炭治郎が禰豆子をあやすのを横目に刀を構える。

「えっ？」

ころり、と堕姫の首が転がった。
ここからがまた気合の入れ時だな。

「さっさと頸を斬ればよかっただろう！」
『すみません、どうにも“頸を斬るのはまだだ”という予感がして』
「む…しかしあと少しで君は切腹だったぞ」

それは申し訳ありません…。
禰豆子が人を食えば私は切腹だ。
それでちょっと怒ってたんだな煉獄さん。

『それよりも、この子上弦というのが怪しいのですが』
「私は上弦の陸よ！」
「たしかに弱いな！！」
「くぅうう！！許さないわ！」

煉獄さん辛辣ぅ…。

「アタシまだ負けてないからね、上弦なんだから」
「負けてるだろ、一目瞭然に」
「アタシ本当に強いのよ！今はまだ陸だけどこれからもっと強くなって、」
「説得力ねー」

宇髄さんも中々…。
堕姫はギャン泣きし始めた。

「頚斬られたぁ、頚斬られちゃったああ！お兄ちゃああん！」

そう堕姫が叫ぶと、彼女の体からズズズ…と鬼が出てくる。

『！』

反射的に斬りつけるが、手首を切り落とした程度。反応速度がやはり普通の鬼に比べて異常だ。

今度は宇髄さんが攻撃を仕掛ける。
今回もサポート中心だな。

夜の呼吸 参ノ型＿＿極夜渦。

反撃されそうなところを弾く。
毒とかめちゃくちゃ厄介だ。

「へぇ、やるなぁあ。殺す気で切ったけどなぁあ。いいなぁ、お前も、お前も、お前も。いいなあ」

私達を一人ずつ指さしていく。
羨んでいるところはいいけど…。

「炎の呼吸 壱ノ型＿＿不知火！」

力強い炎が鬼の腕を切り落とす。
…煉獄さんあまり鬼の話を聞かないところあるからな。人の話もだけど。

「人が話してるのになぁ」
「君は人ではない、鬼だろう！」
「はぁあ？死んでくれねぇかなぁ」

ちょっとこの掛け合い面白いな。
いやあかん。集中。

「アタシ一生懸命やってるのに、凄く頑張ってたのよ一人で。それなのにねぇ、皆で邪魔してアタシを寄ってたかっていじめたのよォ」

「そうだなあ、そうだなあ、そりゃあ許せねぇなぁ。俺の可愛い妹が足りねえ頭で一生懸命やってるのをいじめるような奴は皆殺しだ。
取り立てるぜ、俺はなぁ。
やられた分は必ず取り立てる。

死ぬときグルグル巡らせろ。
俺の名は妓夫太郎だからなああ」

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