陸拾陸 ページ19
先ほどの部屋に戻れば、堂々と破廉恥な姿で立つ堕姫と、怯える鯉夏さんが視界に入る。
「アンタは今夜までしかいないから。
ねぇ、鯉夏」
『私のことも相手してくださいな』
「っ!?」
背後から耳元で囁けば、堕姫は驚いた猫のように飛び退いた。
「あんたっ、鬼狩りね!柱!?」
『さぁ?どう思います?』
こちらに相手の気を寄せる。
できれば鯉夏さんの前で頸は斬りたくない。
「いいわ、美しい人間は好きよ。貴女を食べてあげる」
『貴方にそう言われると照れてしまいます』
密かに戸の外に目を向けた。
私が気を引いている間に炭治郎が鯉夏さんを逃がした。
心置き無く頸が斬れるってわけだ。
…いや待てよ、このままだと炭治郎の成長の妨げになるぞ。うーん。
「ぼーっとしてるくせに避けやがる…!」
帯が襲ってきてるっぽいけど…うん、遅い。
宇髄さんが原作で弱いって言ってたのもわかる。上弦っぽくない。
うーん…。この回では確か炭治郎が透き通る世界の境地の入口に立つはずだよね。途中で息をするのすら忘れて自滅しかけたけど。
それに禰豆子の出番もあるはずだし…。鬼化が進んで覚醒してたはず。この成長を逃していいものか…。
…まぁいっか。
私が稽古をつけよう。継子に誘ってみようか。
「くそっなんなのよあんた!」
堕姫は耐えかねたのか、外へと逃げていく。
流石に戦闘中に思考するのはまずかったか。
反省。
とりあえず一般人避難させなきゃ。
「Aさん!」
『炭治郎くんはあの鬼を追って。
私は一般人全員避難させてきます。
こちらの被害を気にせず攻撃していい。
全部私が防ぐ』
「はい!」
そう言って炭治郎は堕姫の元へ向かっていく。
手当り次第繰り出される攻撃を全ていなしながら、一般人を逃がしていく。
「ひっ、な、なんだあの女っ」
『皆さん落ち着いてください、こっちの方向へ逃げてください!』
一般人を誘導しつつ、時折炭治郎を見る。
苦戦しているようだ。
…ちゃんと助けには入れるようにするから頑張れ…!
遊郭のあちこちを駆け回り誘導し。
大方避難が終わって戻った頃には炭治郎は動けなくなり、禰豆子が暴れていた。
時間を掛けすぎた、ごめん!
「ガァッ」
禰豆子が怪我をし血をながした女性へ襲いかかる。
しまった、まだ逃げ遅れた人が…!
炭治郎が止めようとするが、これでは間に合わない。
「ふむ、随分竈門妹の鬼化が進んでいるな!」
そうして寸のところで止めたのは煉獄さんだった。
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Haruka(プロフ) - 煉獄さん推しなのでとても感動しました。 (2021年9月10日 22時) (レス) id: c2932dcf70 (このIDを非表示/違反報告)
ナキサ(プロフ) - 蓬莱寺さん» ありがとうございます!!更新頑張ります!! (2021年1月12日 23時) (レス) id: 9d3d6315a8 (このIDを非表示/違反報告)
ナキサ(プロフ) - すみっコぐらし好きの隅華(仮)さん» すみません、中々時間が取れなくて…!!続きを待ってくれているのはとても嬉しいです、ありがとうございます! (2021年1月12日 23時) (レス) id: 9d3d6315a8 (このIDを非表示/違反報告)
蓬莱寺(プロフ) - 続き気になります。更新楽しみにしてます (2021年1月12日 8時) (レス) id: de353d3df7 (このIDを非表示/違反報告)
すみっコぐらし好きの隅華(仮) - 早く更新して下さい!お願いします!m(_ _)m (2021年1月6日 20時) (レス) id: d6919b39a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナキサ | 作成日時:2020年12月19日 2時