【煉獄杏寿郎】全力で救いたい！【トリップ】

肆拾弐 ページ44

あれから数週間。
怪我もすっかり治り(やっぱ治癒力高くない？)、機能回復訓練をしている時だった。

「今日はAに大事な話があってね」
『はい』

お館様に呼ばれました。
おぉっとこれは…。

「簡潔に言おうか。柱に就任してほしいんだ」

や、やっぱりかー！！！
上弦との戦いで生き残ったし言われるかなとは思ったけど！！

『しかし、私には実力が足りないかと…』
「充分足りているのは知っているよ。カナエからも話は聞いているから」

カナエさん何を言ったんだ…。
てかまずい。私が柱になるわけにはいかない。
そこは原作通りがいいんです！

「今、カナエが引退し、柱の枠がひとつ空いている」

カナエさんは今回の童磨との戦いで、肺を一部壊死し、柱を引退することになったそうだ。

呼吸は使えず、前よりも体が上手く動かないらしい。暫くは休養ね、と困ったように笑っていた。

「どうかな。Aならみんなも納得すると思うよ」

ど、どうしよう。
私が柱になってしまえば、原作で柱になるはずの人たちが柱になれないかもしれない。
だって9人という枠が決められているのだから。

そう思い悩んでいると、お館様が見かねたのか話し出した。

「実はね、柱の枠を10人に増やそうと思うんだ」
『…！それは、どうしてでしょうか？』
「Aも含めて、柱になり得る剣士達が数名いる。歴代の中でも、ここ数年は優秀な剣士が多いんだ」

良い流れがきている、という。
なるほど、それで柱の枠を増やそうと。

…ならなんの問題もなくない？

『お館様』
「うん、Aの気持ちは決まったみたいだね」
『はい。
AA、柱として尽力したいと存じます』

そうして夜柱が誕生した。



…“柱に就任します”ってどうしたらかっこよく言えるかめっちゃ考えたわ。無理だったわ。









『此度、夜柱に就任しました、AAです。まだまだ未熟者ですが、よろしくお願いします』

主に夜柱就任の知らせを目的として開かれた柱合会議。
心臓ばっくばくで緊張しながら、他の柱の人達に挨拶した。

ちらっと周りの柱達を見る。

岩柱、音柱、水柱、炎柱、風柱、蛇柱。

この6人が原作でも柱だった人だ。
後に就任するはずなのが、蟲柱、霞柱、恋柱だ。

「よもや！聞いていなかったな！」
『えへへ、驚かせたくて』
「予想はついていたので驚いてはいないが！」

なんですと。

上弦を相手に生き残ったし、柱になるだろうと踏んでいたらしい。くそう。

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