【煉獄杏寿郎】全力で救いたい！【トリップ】

拾参 ページ15

あれから1ヶ月が経った頃。

「うむ！体力も筋力も充分ついた！ここまで早いのは想定外だ！よもやよもやだ！」

はいよもや頂きましたー。
こんなんなんぼあってもいいですからn((

「次は刀の素振りに進む！」
『！本当ですか！』
「ああ！」

そう言って渡されたのは竹刀。

「さぁ、握ってみろ！」
『はい？』

といっても握り方知らないんですけど。
こう？え、こう？？

「うむ！はっはっは、違うな！」

いや笑うな！こっちはかなり必死だぞ！
くっ、推しだから許す！

「まず右手はここ、左はここだ。力を入れるのは小指、薬指、中指だけだ。人差し指と親指は添えるだけでいい」
『こう、ですか』
「そうだ！む、ここはもう少し…」

いや、まって…煉獄さんの手が私の手の上にあるのがやばい。てか近い。
ドキドキしても仕方ないと思います！！！！！(逆ギレ)

「…で、ここは…聞いているか、A！」
『ひゃいっ！』
「さては聞いていなかったな？集中！」
『はい！』

生“集中”頂きましたありがとうございました。
こんなんなんぼあっても((

「よし、これが基本の構えだ。覚えるように！」
『はい！』
「では振ってみろ！」

まじで最初に教えずにチャレンジさせるのなんなんだ！！推しだから許す！！

「肩に力が入り過ぎだ！」
『こ、こうですか！』
「いいぞ！だが重心が右へ傾いている！」
『こ、こう？』
「左過ぎだな！」
『むずかしい…』

刀って想像以上に難しいんダナー。

『あの、煉獄さんが振っているところを見ておきたいです』
「む、俺がか！それもそうだな！」

竹刀を煉獄さんへと手渡す。
煉獄さんは自然な運びで竹刀を構え、そして振り下ろした。

「こうだ！」
『…もう一度見てもいいですか』
「あぁ！」

お願いするともう一度竹刀を振り下ろしてくれる。

なるほど、言われてみれば重心が真っ直ぐだ。背筋は真っ直ぐ。肘は緩く曲げるのか。足の向きは。手首の動きは。指の力の入り具合は。

「何か掴めただろうか！」
『…はい！』
「では振ってみろ！」

もう一度竹刀を渡され、言われたこと、見たことを思い描きながら構える。

さっきの煉獄さんを思い出せ。
体の端から端まで、意識を行き渡らせて。

ヒュンッとさっきは聞こえなかった風を切る音が聞こえた。

「…よもや、さっきの2回で目で見て盗んだのか」

何か呟いたが、聞こえなかった。

『今のはどうでしたか…？』
「うむ！凄くよかった！もう俺が教えることは無いな！」



『………えぇ！？』

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