42限目 ページ45
『ぁ、れ…』
生きている。なんで？
崖から飛び降りたはずだった。確かに私の体が落下していくのを感じていたはずだった。
でも、生きてる。私は崖の上にいた。
「間に合ってよかったです…先生心臓が止まるかと思いました」
「遅いよ殺せんせー」
「にゅやっ！す、すみません」
黄色い大きな体が、身を縮こまらせて謝っている。
「で、A。何か言うことは？」
『…？特に…』
「前から思ってたけど結構いい度胸してるよね」
目の前にいるカルマくんは怒っているらしい。
はぁ、と大きく溜息を吐いて私を抱き締める。
「…良かった」
そう小さく言った声は震えていた。
ちらりとカルマくんの顔を伺う。泣きそうな顔だった。
良かったって？
『何が…？』
「はぁ？それ本気で言ってんの？」
ひぇっ！怒りレベルMAXだ…
めっちゃ怒ってる…思ったより怒ってる…
「君が無事で安心したんですよ」
『あん、しん？』
そう聞き返すと、えぇ、と殺せんせーは続ける。
「カルマくんも私も、Aさんが死ぬかもしれないと物凄く心配しました」
「ほんっとだよ全く。久しぶりにあんな焦った」
心配。
初めて、言われた。
『でも、私…言われた通りに消えないと、』
「A」
名前を呼ばれて顔をあげればカルマくんは笑顔。
ただし目は笑ってない。
え。
「Aってば、俺を怒らせる天才なの？」
え、そうなの。怒らせる気は全くないんだけど。
「誰の言われた通り消えようとするか大体分かるけどさ。
そんなAの事を大事にしてない奴の言うこと聞くとかやめてくれない？
だったら俺の言うこと聞いてよ。
まずちゃんとご飯食べさせて、ちゃんと寝かせて、休日は一緒にゲームさせるし、1日5回はキスさせるでしょ。あ、そうだ。一緒に住んでもらおっか。
後は…絶対死なせない」
ぎゅ、と私の背に回っている腕に力が籠る。
『なんで、そこまで…』
「君はとても優しい子です。
困っている時助けてくれたと言う話をよく聞きますねぇ。
そんなAさんを、クラスみんなが想っています。
今回のお泊まり会も、君と仲良くできるかとそわそわしていました。先生も含めてです」
ぷにょん、と触手が私の頭を撫でる。
目頭が熱くなった。
『わたし、いらない子じゃ、ない…？』
「そんなの決まってるじゃん」
「えぇ、いらない子なんていません」
何かが頬を伝った。
ずっと枯れていた、涙だった。
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ムマ(プロフ) - シリアスがシリアルになってて朝ごはんかな？と…w (2023年2月26日 7時) (
レス) @page36 id: 6ac26bb231 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶 - とても良い作品ですね！ゲームを禁止してから数年。この作品を見つけました！この感想？を見てるか分かりませんが14限目(16ページ目)でA組からD組はグリーン車…ってところA組からE組になってますよ。 (2021年5月6日 17時) (レス) id: 5aab78de35 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ミミー(プロフ) - カメラくんカルマ仕舞ってはツボ笑笑 (2020年11月6日 17時) (レス) id: 0e4633d09f (このIDを非表示/違反報告)
推しが尊い(プロフ) - 蒼の戦姫ナキサさん» そうだったんですね！てっきり間違われていると思ったので、、 この作品応援してます！これからも更新頑張ってください！ (2020年5月11日 2時) (レス) id: b8ffafd9e5 (このIDを非表示/違反報告)
蒼の戦姫ナキサ(プロフ) - 推しが尊いさん» お恥ずかしながら、わざとなんです汗「いや逆だし」とカルマくんからツッコミも入ってます… (2020年5月11日 2時) (レス) id: 9d3d6315a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼の戦姫ナキサ
| 作成日時：2020年4月25日 22時
