40限目 ページ43
その後は風呂に入って、暗殺したりトランプをしたり暗殺したりゲームしたり。
みんなが私を気にかけてくれていたが、それでも私は勉強のことしか頭に浮かんでこなかった。
殺せんせーが寝る時間だと合図すれば、みんなは「えぇ、もう?」と少し惜しみながら布団に入る。
私も布団に入って寝ようと目を瞑るが寝れそうにない。
どれ程その状態が続いたのか、気づけば周りからは寝息が聞こえる。
…このまま寝たら、私。
そこまで考え、得体の知れない恐怖が襲ってきて。
「A」
小声でそう聞こえてきた。
声の主を見れば、カルマくんが私の横に来ていた。
彼も寝れないんだろうか?
『なに…?』
「夜這いしにきた」
帰れ。
「っていうのは冗談。A、寝れないだろーなーっと思って」
『?』
安眠グッズでもくれるのか。
「一緒に寝ようよ」
やっぱ帰れ。
そう思うも、カルマくんは既に布団に入っている。いつの間に?
「人の体温がある方が寝やすいでしょ?」
いやいやと否定しようとするが、確かにその通りで、少し安心している自分がいる。
気づけば眠気を感じていた。
「おやすみ、A」
その声は、びっくりするほど優しいものだった。
.
_____いいか、A。
お前は俺の言うことを聞けばいい。
それだけがお前の生きる意味だ。
もし、俺の命令が聞けないなら、
_____この世からすぐに消えろ。
『、はっ』
目が覚めた。
…周りを見渡すと、みんなはまだ寝ている。
隣にはカルマくんもいた。
『…』
体を起こして首に手を当てれば、どうやら私は汗をかいているらしい。
_____この世からすぐに消えろ。
そうだ、私。早く消えなきゃ。
だって命令を無視してしまった。悪い子になってしまった。
手っ取り早く消えるにはどうする。
そういえば崖があった。
あそこなら道具もいらない。
ただ、飛び降りればいい。
そう気づいて立ち上がる。
みんなを起こさないよう、教室のドアを静かに開けて外へ向かった。
…妙に冷静だった。
崖を前にして立てば、あぁこれで死ぬのかと。
特に感想はなかった。
思い残すこともきっと…無い。
頭に一瞬赤がちらつくが、きっと気の所為。
景色の先には月が浮かんでいた。
初恋相手に見られながら全てを終える。
大丈夫、なら私は幸せだ。
足を一歩踏み出した。
体は前に傾いて。
落ちていった。
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ムマ(プロフ) - シリアスがシリアルになってて朝ごはんかな?と…w (2023年2月26日 7時) (レス) @page36 id: 6ac26bb231 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶 - とても良い作品ですね!ゲームを禁止してから数年。この作品を見つけました!この感想?を見てるか分かりませんが14限目(16ページ目)でA組からD組はグリーン車…ってところA組からE組になってますよ。 (2021年5月6日 17時) (レス) id: 5aab78de35 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ミミー(プロフ) - カメラくんカルマ仕舞ってはツボ笑笑 (2020年11月6日 17時) (レス) id: 0e4633d09f (このIDを非表示/違反報告)
推しが尊い(プロフ) - 蒼の戦姫ナキサさん» そうだったんですね!てっきり間違われていると思ったので、、 この作品応援してます!これからも更新頑張ってください! (2020年5月11日 2時) (レス) id: b8ffafd9e5 (このIDを非表示/違反報告)
蒼の戦姫ナキサ(プロフ) - 推しが尊いさん» お恥ずかしながら、わざとなんです汗「いや逆だし」とカルマくんからツッコミも入ってます… (2020年5月11日 2時) (レス) id: 9d3d6315a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼の戦姫ナキサ | 作成日時:2020年4月25日 22時