天才無口無表情ちゃん。【赤羽業】

27限目 ページ29

「A？」
『…何？』
「大丈夫？」

動揺を悟られたのか、カルマくんがこちらを見ていた。
心を落ち着かせ、冷静に大丈夫だと答える。

私は人間。

だから、動物みたいに感情をむき出しになんてしない。









律さんのことが解決した放課後。



「さて、Aさんはいつになったら暗殺してくれるのでしょうねぇ」

楽しみにしているんですが、と呟く殺せんせー。

「律さんが仲間になったことで暗殺成功の可能性が格段に上がりました。
しかし先生が思うに、Aさんが参加すれば心強い仲間となるだろうと確信しています」
「確かにAさんって賢いし」

そう期待の目で生徒たちに見られる。

『興味無い』
「ほら、お金手に入るし！」
『興味無い』
「楽しいよ？」
『興味無い』
「一体何に興味あるんだ…？」
「言っても無駄じゃね？我関せずって感じだし」

一緒に暗殺しようと言う人、無駄だろと意見する人に分かれる。

私は一部のE組の人たちに敬遠されていた。
嫌だとは思わない。むしろそれがありがたかった。

「私からもお願いしたい。君の力はE組生徒の強力な味方になるはずだ」

そう言ったのは烏間先生だった。
いやいや。

『…買い被りすぎ』
「そんなことはない。君の頭脳はもちろん、時々参加する体育の時間を見ていると高い運動能力があるように見える」

頼む、と頭まで下げられてしまう。
えぇ、断りづらいことしないで？？

生徒たちの目線が痛い。

『気が向いたら』
「「「「「「それ絶対しないやつ！」」」」」

そんなことは、ない。多分。

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