27 ページ27
『…ってことで！今までお世話になりました』
「ほんとに三途んとこ戻んの？」
『うん』
「寂しいじゃーん」
『ごめんね蘭ちゃん。いっぱい遊び来るから』
翌日。
すぐにでも戻ってこいとうるさい春ちゃんのために、荷物を取りに行くがてらお世話になっていた蘭ちゃんと竜胆にお礼を言いにいった。
珍しく蘭ちゃんが可愛く見えたので背伸びをして頭を撫でてあげればぎゅうっときつく抱きしめられた。
朝ご飯出てきそう。
しばらくして蘭ちゃんは離れてくれ、シワになった服を直しながら、さっきからなにも喋らない竜胆にも話しかける。
『竜胆？』
「…ん」
『寂しいの？』
「別に…そんなんじゃねぇよ」
『そっか。じゃあ平気だね』
いつもに比べ明らかに元気がないため、そう聞いてみるがそういうわけでもないと言う。
聞いた私が言うのもなんだけど、私の方がちょっと寂しいかもしれない。
蘭ちゃんにやったのと同じように竜胆の頭を撫でてやれば、腕をガシッと掴まれた。
急なことでびっくりした私は驚いた顔で竜胆をみる。
『なに？』
「寂しい、つったら此処残んの？」
『…そう言うわけじゃないけど、』
「んだよ…三途のこと選ぶわけ？あんなことされたのに」
『それは…』
「勝手にすれば」
そう言ったかと思えば、くるりと背を向けて部屋に戻ってしまった竜胆。
え、なんでこうなった。
そもそもなんで竜胆は怒ってるの。
何が何だかわかんなくて頭の上にクエッションマークを浮かべていれば蘭ちゃんが呆れたように私の頭に手を乗せた。
「竜胆拗ねてるだけだから気にすんな」
『拗ねてるの…？』
「ほら、竜胆ってAの事好きじゃん」
『…うん』
たしかに、竜胆が私を好きと言ってくれたのは覚えてるし、しかも竜胆の日頃の行動はすごいわかりやすい。
そう考えると悪い事したなぁ、なんて罪悪感があるのも事実。
そんな私を見て、蘭ちゃんはぐしゃぐしゃと私の頭を撫でる。
仕返しだ、なんて言って笑ってるから少し可愛い。
「大丈夫、竜胆には俺が言っとく」
『ごめんね、ありがとう』
「いつでも来いよー？竜胆も俺も待ってるから」
『うん！遊び来るね！』
「んじゃ、気をつけて」
そう言って笑顔で送り出してくれた蘭ちゃん。
普段は変なところあるけどなんだかんだ言って優しいお兄ちゃん的存在。
竜胆も、蘭ちゃんに任せて大丈夫だよね。
今は、春ちゃんのことを1番に考えたいから。
そう思って、少し多い荷物を抱えて家に向かった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2740人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蘭奈莉逢瑠悲@カナリア:ルカ(プロフ) - 春ちゃんさいっこうじゃないですかあああ！！作者様天才すぎる！！！ (11月27日 23時) (
レス) @page39 id: 4d14879615 (このIDを非表示/違反報告)
一尺八寸一犀 - 春ちゃん〜…あ〜もうすっごい好きです///愛してるってなんですか！？愛してるって！！え、カッコ良過ぎるんだけど！？竜ちゃん蘭ちゃんも素敵でした……///もうずっと読んでいたい╰(*´︶`*)╯♡ (9月4日 23時) (レス) @page39 id: 605bcc3c89 (このIDを非表示/違反報告)
NA - 春ちゃーーーーーん素敵すぎます！最後の''愛してる"カッコイイ☆夢主ちゃんもお幸せに♡ (2023年3月21日 10時) (レス) @page39 id: 9c547ad202 (このIDを非表示/違反報告)
宇治(プロフ) - オールして読みました、ガチ尊い。叫びたいけど時間的に無理だ🥲🥲🥲🥲 (2022年12月25日 5時) (レス) @page39 id: 3e85deed6b (このIDを非表示/違反報告)
やほやほ〜 - 蘭ちゃん=優男 竜胆=ツンデレ神 春千夜=すれ違い彼氏でいい？ (2022年9月3日 17時) (レス) @page27 id: 89b4ed43fb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みや
| 作成日時：2021年11月16日 19時
