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「 貴方、今日用事があるんじゃなかった？ 」
『 あはは、…いろいろあってね。 』
傘を差しながら、綾小路くん、堀北さん、僕の順番で横並びで信号が青になるのを待っていた。
「 作戦がうまくいってよかったな 」
綾小路くんがそういうと、続けて堀北さんが綾小路君に声をかけた。
「貴方、私を利用したでしょ？」
「なんのことだ？」
「特別棟にカメラがないことを指摘して、貴方は私に偽の証拠を作るように誘導したのよ。」
「それは考えすぎだ。」
僕にも言っていたそのセリフ。
やはり、綾小路くんが仕掛けたのか。
信号が青になっても動かない二人、
「約束したわよね？Aクラスに上がる為に協力するって」
「ほぼ強制的にだけどな。」
ほぼ空気になっている僕。
綾小路くんが前に進もうとしたため、僕もそれに合わせて前に進もうとしたら、
堀北さんが綾小路くんのうでを掴んだ。
「待って。まだ話は終わってないわ。あなたが何を考えているのか、知りたいの。」
堀北さんの表情は見えないが、声がいつもより真剣なのはよくわかった。
「平穏な日々を送りたい、ただそれだけだな。」
綾小路くんは、目線を上に挙げたまま、思ってもないことを口にしているようだった。
「…本当に嫌なら協力しないはずよ！」
「友達を助けたいと思ったんだろうな、多分……。」
「それは嘘」
即答だった。
「あなたは友達のことなんて考えてないわ。あなた一体何者なの？」
「 Aクラスに上がる為の手助けはする。ただ 」
「ただ？」
「 俺の詮索はするな。 」
その顔は、とても冷たい顔をしていたのを僕も見てしまった。
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作者名：匿名希望 | 作成日時：2022年10月10日 23時
