【よう実】興味が無いと突き放したい。 (ページ14)

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プールの自由時間、プールサイドで僕は歌を口ずさんでいた。

水着の上に、大きめのジャージを着て。

『 ..だきしめ、られたくて。ウソついた。

あの日を、今でもずっと悔やんでる〜...♪*ﾟ』

目を細め、同じクラスメイトが楽しそうに

プールで遊んでいるのを見ると、

気を紛らわせたいのか、と思ってしまう。

僕は、櫛田さんたちを見た。

もしかしたら、彼女は結構クラスの中心的存在だから、

一緒にいたらかなり目立ってしまうのではないか？

そう考えていた。

「 A 、お前は泳がないのか？」

後ろから声をかけてきたのは綾小路くんだ。

『うーん、今はそういう気分じゃないからね。』(苦笑)

「気分？じゃあ、今はどういう気分なんだ。」

『個人戦、だったらまだ良かったんだけどねって思ってたところなんだよ。』

「個人戦、？」

『うん、クラスごとでしょ、あのシステムって。』

「ぁあ、そういうことか。お前も堀北みたいなタイプか？」

『そんなことはないんだけどね、一人でやれる範囲は決められてるし、ナカマや、トモダチが時には助けてくれることも、理解はしているつもりなんだ。』

「ああ。良かった。堀北とは少しは違うタイプみたいだな。」

『ただ、ニンゲンって裏表ある人間がほとんどじゃない？
もしくは、誰にも言えない秘密を抱えているとか。
あまり、面倒事に巻き込まれず、学校生活を楽しみたくてさ。』

まあ、友達を作って楽しむことも、学校生活の一貫だよねと笑いかける。

『ただ、誰かの言いなりになったり、誰かの手のひらで
踊らされたりされるのはゴメンだなぁ...って色々考え事してたら、泳ぐ気分でもなくなっちゃったの！』

「そうだったのか。」

『綾小路くんは、なにかスポーツとか、習い事していたの？』

「うーん、どうだろうな。」

続けて質問をした。

『綾小路くんってさ、笑ったりするの？』

無表情な彼に問いかけてみた。

「うーん、あんまり、なんか苦手なんだよね。」

『そうなんだ。いつか、笑ってるとこ見てみたい気もする。』

「来ない気がする。」

『そこは嘘でも、笑わせてみろ〜とか言わない？』

「なんでだよ,,。」

他愛のない話を、クラスメイトとしている

女子校生のつもりだ。