【よう実】興味が無いと突き放したい。 (ページ2)

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「席、譲って貰えないかな。そこ、優先席だし...。」

朝、学校へ向かうバスに乗っていた時、

とある女の子の声で、僕は目を覚ました。

つけていたイヤホンが外れかかっていたようだ。

どうやら、女子生徒が、男子の生徒に、そこが優先席だから

席を譲って貰えないか。という話だった。

周りの人達は、なんとも言えないような顔で

その光景をただ見ているだけだった。

無論、僕ものその一人、....

と言い張りたかったが。どうもこの空気は嫌いだ。

まだ、学外だし、同じ学校の人たちがいるからといって

特に目立つ訳でもない、ここで僕が席を譲ったって、

訴えかけている女子生徒と、おばあさんにだけ感謝されるだけのこと。

目立った行為では無いはずだ。

『もしよろしければ、こちらにどうぞ。』

そう言うと女子生徒はパァっと表情筋を動かしこう言った。

「本当ですか！？！ありがとうございます！！」

おばあさんも、嬉しそうに微笑んだ。