_2 ページ3
_
少し過去のことを話そう。
これは高３の時。
今、6人でファミレスにいる。
その6人とは俺、としみつ、りょう、ゆめまる、虫さん、しばゆーだ。
集まっている理由は、Aに「話したいことがあるの。どうしても集まってほしい」と真剣な顔で頼まれたからだ。
し「A遅ぇなぁ。自分から呼んだくせに」
しばゆーが鼻をほじりながらため息混じりにそう言う。
俺たち7人は自分で言うのもなんだがすごく仲が良い。
虫さんは1歳年上で、俺のバイト先で出会った。
最近は俺達がいつか動画投稿をしたいなんて言って、虫さんとはいろんな企画案を話し合ってはよく大笑いしている。
Aは俺と同じ陸上部で、女子なのにも関わらずすんげぇ足が速い。
女子では長距離も短距離も学年でダントツ1位だ。
体育大会のリレーでは、Aがいるチームには勝てないなんて言われるくらい足が速いで有名だった。
スポーツもなんでもできる、スーパー体育会系女子だ。
そんな彼女だからもちろんよく男子からも告白されてる。
でも当の本人は一度も人と付き合ったことがない。
というわけでもなくて、別に好きじゃなくても、気の合う人からの告白だと受け入れていたりした。
俺はAが告白してきた男をフる度に喜び、彼氏にする度に悲しんでずっとAに依存している。
虫「てっちゃんなにボーッとしてんの。A来たよ」
虫さんの優しい声で我に返る。
「みんな、ごめん」
Aがとしみつの隣に座ってすぐに放った言葉がそれだった。
ごめんって、何？
みんなキョトンとした顔でAの次の発言を待つ。
「私、多分…引っ越す。だから、みんながやりたい動画投稿はできない。みんなとも…あ、えない、…。」
なんだよ、それ。
俺はその一言すら言えないほど唖然していた。
_
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 133人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：てち犬 | 作成日時：2019年4月4日 16時
