大脱獄【東海オンエア】

前言撤回 ページ8

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「えっと、何やってるんですか？」
「あ？お前誰だよ」
「彼女、嫌がってません？」
「は？」
「いや、やめろって言ってるんですよ。…わかんねぇ？」

てつやさんは右手で握りこぶしを作って、ユウキさんを殴った。
威力が凄まじすぎて後ずさりしてしまった。
ユウキさんは諦めて車に乗って逃げた。
なんだ、クソ弱いじゃん。

「あっ、ありがとうございます…」
「まだキャバ嬢続けんの？」

私のお礼を遮ってそんな事を聞くてつやさん。
これまでのてつやさんより真剣な目だ。

「やめた方がいいんじゃないの？それともまたこんな目にあいたいの？」

何を、言われているんだろう。
私は確か、もうてつやさんとは終わって…。
じゃあ、私がここでてつやさんと話す理由って何？
私とてつやさんの関係って何？

「本当は、もっと知りたいんだ。女子高生なんて、関係ない」

私が何も話さないうちに、勝手に話が進んでいく。
驚く暇も与えてくれない。

「キャバ嬢としてのAちゃんじゃなくて、１人の人間としての、Aちゃんを。知りたいんだ。まだ何も、始まってないから」

自然と、頷いた。
私もてつやさんを知りたい。
なんて言うのはまだ早いから口には出さなかった。
てつやさんの目を見つめると、すぐにそらされた。
素っ気ない。

「俺にね、いい提案があるんだ」
「…なんですか？」
「それはね、まだ言えない。Aちゃんがキャバクラ辞めてから教える」
「………分かりました」

てつやさんに、かけてみよう。
もしこれで的外れな事を言われても、また違うお店で働けばいいだけの話だ。
まぁ、てつやさんが的外れな事を提案するはずがないんだけど。



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