俺の役目〜CMside ページ26
Aを守れるのは、俺だけだと思っていた。
小4の時、塾から先に帰ったはずのAがアイツと一緒に歩いていく姿を遠くから見かけて。
追い付いた先で見た光景に、全身の血が逆流するような衝撃を受けた。
直ぐに警察にも両親にも知らせようとした俺をAは必死で止めて。
誰にも言わないで欲しいと、震える手で懇願された事を昨日の事のように覚えている。
そしてその日、俺は自分に誓った。
もう二度と、Aをあんな目には合わせない。
Aを変な目で見る奴を、一人残らず排除してやると。
中学生になったAは、顔付きも身体付きもどんどん女らしくなっていった。
そんなAに興味を示す男どもを、俺は彼氏の振りをして全員蹴散らしてきた。
そして、Aは誰の事も好きにならなかった。
誰かをカッコイイと騒いでも、誰かに好きだと言われて浮かれていても、それが上辺だけの事だと俺は知っていた。
だから驚いた。
Aが自分から誰かにあの話をした事にも、ユノという男の事が好きだと言った時も。
それに……
クリスマスの次の日。
忘れ物を取りに来たと言ってまた現れたあの人が。
Aが部屋に行ったその隙に、俺の前に来て微笑んで。
「チャンミン。今まで一人で抱えて辛かったな。これからは俺もAちゃんを守るから」
そう言って、俺の頭をくしゃくしゃと撫でた。
「……その時、分かったんだよね」
……あぁ。この人は本気だって。今までAの周りをうろついていた男たちとは違うって。
「何が分かったの!?」
俺の話に眉間を寄せているジュンス。
……あ〜あ。
「ジュンスもツイてないね」
「ちょっと待って、ほんと 何の話!?」
あんな人が相手じゃ、ジュンスもかなり本気を出さないと勝ち目はないんじゃないかな。
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ち - はじめまして!アラサーペンのわたしですが、こんな高校時代を過ごしたかったとキュンキュンしてしまいます。更新楽しみに待ってます(^^) (2021年1月24日 10時) (レス) id: c2ed9163db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユチコ | 作成日時:2018年6月23日 16時