私は大丈夫 ページ24
静かに開けたリビングのドア。
チャンミンは、コートを着たままソファーに座っていた。
「……チャンミン、ただいま」
声をかけると、首を回し私を見て。
私の表情や姿を確認して、安心したようにまた直ぐに視線を元に戻した。
「……お帰り」
「チャンミン、ちゃんと話そう」
コートを脱いでチャンミンの目の前に正座する。
そんな私に、チャンミンがゆっくりと顔を上げた。
「……あいつは?」
「帰ったよ。そしてあいつ、じゃないよ。彼はユノ先輩。私の彼氏だよ」
堂々と。
ハッキリと伝えた言葉にチャンミンが一瞬息を飲んだ。
「彼氏って……。何考えてるんだよ。あいつがどんな奴かも分かんねぇのに……」
「ううん、分かるよ。ユノ先輩は優しい人だよ」
「分かってないよ。Aは男を分かってない。男がみんな俺やジュンスみたいな奴ばっかだと思ったら大間違いなん、」
「そんな事思ってないよ。それに……ユノ先輩には、あの事も話したから」
チャンミンの言葉を遮りそう伝えると、「…え?」チャンミンの驚く声と共に、それまでソファーに沈んでいたチャンミンの身体がズイッと私に近付いた。
「……話した?」
「うん。誤解されたくなかったから。チャンミンが私の弟だって伝えたかったから、全部話したよ」
「なん……っ、だって、今まで誰にも……っ、ジュンスにだって話そうとしなかったくせに……っ」
「……うん。そうだよね」
そのせいでチャンミンを沢山苦しめちゃったね。
沢山心配をかけたし、沢山守ってもくれたね。
お父さんの転勤が決まった時、私と一緒にここに残るって最後まで諦めなかったのもきっと、私のためだよね。
だけど……
「チャンミン。私はもう大丈夫だよ」
今までみたいに、誤魔化すように生きるのはやめようと思うの。
「私、本当にユノ先輩が好きなんだ」
そしてチャンミンも。このトラウマから解き放たれて欲しい。
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ち - はじめまして!アラサーペンのわたしですが、こんな高校時代を過ごしたかったとキュンキュンしてしまいます。更新楽しみに待ってます(^^) (2021年1月24日 10時) (レス) id: c2ed9163db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユチコ | 作成日時:2018年6月23日 16時