☆｡･:*東方学園2*:･ﾟ'★ (ページ18)

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このまま帰せないページ18

抱きしめたチャンミンの身体は、思ったよりもずっとずっと逞しかった。

だけど、ひっしと私に抱きつく姿は、可愛い弟のままで。

そんなチャンミンをあやす様に背中を撫でていたら

｢……ｺﾎｯ｣

ユノ先輩が小さく咳払いをした。

｢……今日は帰った方が良さそうだね｣

そう言ったユノ先輩は、明らかに戸惑っていて……

コートを持って｢じゃあ……｣と、玄関に向かう先輩に

｢待ってください…っ｣

大きな声が出た。

｢ユノ先輩、ごめんなさい。これには訳があって……っ｣

｢……うん。お互い落ち着いてから話そう｣

俯きがちにそう言って、出ていってしまった先輩。

……違う。こんなのダメ。
このまま帰しちゃダメだ……っ、ちゃんと話さなきゃ……っ

リビングに戻り、自分のコートを掴んだ。

｢A！どこ行く気!?｣

チャンミンに掴まれた腕を振り払って、玄関へと急ぐ。

｢ごめん、チャンミン！後でちゃんと話すから…っ｣

焦っているせいで靴がうまく履けなくて、やっと履けた時には、ユノ先輩を乗せたであろうエレベーターが1階に着こうとしていて。

また上がってくるエレベーターを待てずに、反対側にある階段を駆け下りた。

エントランスを抜けて、駅へ向かう道に目をやると、もうあんな所まで……遠くにユノ先輩の姿を捉えた。

｢ユノ先輩……っ！｣

声の限り叫んでみたけど、聞こえないのか、先輩は歩みを止めてくれなくて。

走るのはそんなに得意じゃないけど、自分の限界を超える勢いで、必死に先輩を追いかけた。

｢ユノ先輩……っ、待って……っ、｣

｢……Aちゃん？｣

先輩が足を止めてくれたのは、手を伸ばせばユノ先輩に触れられるくらいの距離まで近付いた時で。

肩を揺らして息をする私を見て、先輩の目が少し大きくなった。

｢ごめん、気付かなかった。追いかけて来てくれたの……？｣

｢は、話が…っ、した…くて……っ、｣

まだ息が苦しくて、途切れ途切れになってしまう言葉に、先輩が｢……うん｣小さく頷いて。

｢……ちょっとそこに座ろうか｣

隣の公園を指さした。