クリスマスの約束 ページ2
電車を降りてからマンションまでは、徒歩で10分くらい。
比較的賑やかな通りを、ユノ先輩と並んで歩いた。
「もうすっかりクリスマスモードだな」
「え?」
「ほら、あっちもこっちも」
あぁ、ホントだ。
暗くなってから出歩くことがあまりなかったから、今まで気付かなかった。
そうか、そうだよね。
ユチョンくんのカフェだけじゃない。
見慣れているはずの街並みが、いつしかすっかりクリスマスの飾り付けで賑わっていた。
「Aちゃん、クリスマスはどうしてるの?」
「クリスマスですか?」
そういえば。今年のクリスマスはどうするんだろう。
毎年、ジュンスの家族がうちに来て、みんなでワイワイ過ごすのが恒例だったけど、今年はうちの家族が帰ってくる予定もないし、私一人しかいないのにどう準備したらいいのかもわからないし。
そもそも、冷戦中なのにジュンスが来るとも思えない。
「…まだわかりません」
「そっか…。もしかして友達と?」
「友達っていうか…。ユノ先輩はどうするんですか?」
「ん〜。出来れば彼女と過ごしたくて、誘ってみようかなぁと思っているところ。笑」
「…あっ」
そっか!!
そういうことか!!
「ご、ごめんなさいっ!
私、クリスマスって家族以外で過ごしたことなくて…っ」
「そうなんだ?」って私を見た先輩が、何だか嬉しそうにクスクス笑ってる。
「大丈夫です! クリスマス空いてます!むしろ何がなんでも空けます!!」
「そんな無理しなくても大丈夫だよ。家族と過ごすんなら、」
「いいえ!全然大丈夫です! 私もユノ先輩と2人で過ごしたいから!…あっ、」
また余計なことまで言っちゃった…!
カーッて頬が熱くなって、恥ずかしくて下を向いたら。
「うん、俺も。
クリスマスはAちゃんと一緒にいたい」
そう言って、ふわっと包まれた私の右手。
ビックリして、思わず先輩を見上げたら。
慌てて顔を背けた先輩の耳が、赤く染まっていて。
困った事に私の胸は、キュンキュンキュンキュン音を鳴らして
その音がユノ先輩に聞こえちゃうんじゃないかと思って、更にドキドキした。
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ち - はじめまして!アラサーペンのわたしですが、こんな高校時代を過ごしたかったとキュンキュンしてしまいます。更新楽しみに待ってます(^^) (2021年1月24日 10時) (レス) id: c2ed9163db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユチコ | 作成日時:2018年6月23日 16時