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ありがとう ページ29




目を覚ますとそこは病院だった。この短期間で何回倒れてるんだよと思った。

その時、右手に温かいものを感じた。見てみると、出久がベッドに突っ伏して私の手を握って寝ていた。

なんだか懐かしい光景だと思って心が温かくなった。

少し周りを見渡すと、机に私がショッピングモールで買ったプリンが二つ置いてあった。

それを見て私は更に嬉しくなった。

すると、私が起きた気配を感じたのか、出久も目を覚ました。

「良かった。本当に良かった。無事で居てくれて。」

『心配かけてごめん。ありがとう。』

「あの……。入院中に酷い事言ってごめん。Aは僕にヒーローになれるって言ってくれたのに、僕はAにヒーローになれないなんて言ってしまった。もっと色々考えてから言うべきだった。」

出久の目から涙が溢れた。

「ずっと謝りたかったんだ。でもなかなか言い出せなかった。もし、Aが目覚めなかったら。このまま謝れずに消えてしまったら。そう思うと怖くなった。」

出久の顔は涙でぐちゃぐちゃになっていた。

『私も酷い事言ってごめん。あと、冷たい態度取ってごめん。私もあんな事を言って後悔してた。ちゃんと謝りたいと思ってた。でも、でもね、なんて言い出せば良いか分からなかった。』

私も涙で出久の顔がよく見えなくなった。そして私も、拘束されていた間もずっと抱えていた思いを伝えた。

「そっか。やっぱり考えている事は同じだね。」

と、出久はにっこり笑って言った。



『助けてくれてありがとう。大好き。』


そう言い、私は彼に抱きついた。


青い薔薇が挿さっていた→←助けに来たよ



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設定タグ:ヒロアカ , 日常 , 病弱   
作品ジャンル:アニメ
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もーりーふぁんたじー - 続きが気になる終わり方だ……。 (2020年3月26日 23時) (レス) id: a8e855356f (このIDを非表示/違反報告)
はるちこ(プロフ) - るーうさん» コメント、ありがとうございます。心が温まるなんて素敵なコメントを頂けて嬉しいです。最後までこの小説に付き合って下さり、ありがとうございました。 (2019年8月19日 0時) (レス) id: 8177e20443 (このIDを非表示/違反報告)
るーう - 『ありがとう 』ではとても、心が温まりました。応援してます!頑張ってください。 (2019年8月16日 18時) (レス) id: 9a705ef9bc (このIDを非表示/違反報告)
はるちこ(プロフ) - ヨシさん» コメント、ありがとうございます。初めて他の方からの感想を聞けてとても嬉しいです。過去編はもうすぐ終わり、日常を描いたり、少しシリアスな話も織り込んでいこうと思っています。楽しみに待って頂けると幸いです。 (2019年7月18日 19時) (レス) id: 8177e20443 (このIDを非表示/違反報告)
ヨシ - 優しくて、少し悲しい物語ですね…!めっちゃそういうの好きです!更新頑張ってください! (2019年7月18日 17時) (レス) id: f7869a3f78 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はるちこ | 作成日時:2019年7月16日 0時

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