＃29 体育祭前日 ページ30
｢よっしゃー！！かんせ！｣
｢なんとか終わったねぇ｣
体育祭前日の午後7時。
私たちふたりは体育先準備の最後の仕事、スローガン掛けを終えたところだった。
グラウンドに面している校舎のベランダにめちゃめちゃ大きく書いたスローガンを吊るした。
あの気まづくなりかけた日、2人で考えたなんとも思い出深いそれだけど案外普通になってしまった。
笑顔が素敵なとしみつくんは大満足みたいだけど。
｢よっしゃー！あとは明日の挨拶と応援団長だけだな！！｣
｢長かったここまで...｣
1番嫌いなイベントと言っていほど嫌いな体育祭の実行委員になって。
競技は色々融通きかせてもらったのはよかったけど、それ以外は辛いことしかなかった。
って、まだ終わってないんだけど。
｢お疲れ様。じゃ帰るか？｣
｢ふたりで？｣
｢不満なん？｣
｢不満というか...｣
ココ最近毎日一緒にいたけれど、二人で帰るのは初めてだった。
あの告白された日も一緒には帰らなかったし。
何話せばいいんだろ。
学校から出た瞬間、この関係は校内の知り合いじゃなくて、何なるんだろう。
｢不満じゃないなら帰るべ｣
｢なんで急にほかの方言？笑｣
｢一緒に帰りん｣
｢戻すんだ笑｣
教室の鍵をくるくる回しながら、廊下を歩くとしみつくんの一歩後ろを歩く。
2年生に上がってから、私の生活はおかしい。
こんなに男の子と話すことなんていままでなかったのに今じゃ普通に話せてるし、夢の彼氏ができるのも近い将来かも。
｢腹減った！なんか食ってこ！｣
｢え、ダメだよ、夕飯あるもん｣
｢コンビニでいいよー、そのへんで！｣
｢1人で食べればいいじゃん｣
｢なんでそんな悲しいこと言うん？！行くよ！｣
今度はとしみつくんが私の後ろに回って、背中に背負ったリュックごと私を押す。
男の子ってみんなこうやって軽々女の子に触れるのだろうか。
てつやくんも普通に肩に触ってきたし、ドキドキしてるのは私だけ？
｢なに食べるの？｣
｢チキン！！｣
｢夕飯食べれなくなるよ？｣
コンビニから出てきたとしみつくんにそう言うと、｢じゃあ、なるみんも同罪だよ！｣ってチキンの袋を私に押し付けてくる。
｢頑張ったなるみんにもしゃーないからあげる！｣
｢えっ？貰えないよ｣
｢なんでよ、冷めるよ！｣
｢うーんまい｣ってチキンをかじって言うとしみつくんからチキンを受け取ると、それは彼のように温かかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 307人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
____haru(プロフ) - ましろちゃん！待ってたよ！！！久しぶりの更新とっても嬉しい！元気そうでよかったです！ (2018年12月7日 18時) (
レス) id: 4f81121750 (このIDを非表示/違反報告)
Mashiro.(プロフ) - kyaspaさん» 新作の書き溜めが落ち着きましたら、こちらも同時に更新進めさせていただきます。しっかり案内しておらず申し訳なかったです。もう少しお待ちいただけたら嬉しいです。 (2018年10月24日 16時) (レス) id: 09eef81ca3 (このIDを非表示/違反報告)
Mashiro.(プロフ) - kyaspaさん» kyaspa様、コメントありがとうございます。そう言っていただけてとっても嬉しいです。今久々に自分で最初から全て読み返しました(；＿；) 自分自身このお話に納得できなくて、更新停止していましたが、ひとりでも待っている方がいらっしゃる限り絶対書き終えます。 (2018年10月24日 16時) (レス) id: 09eef81ca3 (このIDを非表示/違反報告)
kyaspa(プロフ) - このお話がすごく好きです！続きが気になってうずうずしています笑笑いつか更新される日を心待ちにして待ってます笑 (2018年10月23日 23時) (レス) id: 0fd2e1c39a (このIDを非表示/違反報告)
Mashiro.(プロフ) - 月兎＝光華さん» 月兎=光華さん、たくさんコメントありがとうございます！文才なんてとんでもない..！！ただの妄想話にありがとうございます(^^) 急展開に急展開を重ねていきます！ぜひよろしくお願いします♪♪ (2018年8月28日 21時) (レス) id: 09eef81ca3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Ma
| 作成日時：2018年7月17日 0時
